更新:2024.10.28|公開:2021.07.14
かさみがちな採用コスト、上手に削減する方法は?
採用コストとは、企業が人材採用にかける費用のことで、大きく分けて採用前に発生するコストと採用後に発生するコストの2種類があります。
また、採用前に発生するコストは、さらに内部費用と外部費用に分けられます。
目次
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厚生労働省の「労働経済白書」によると、2013年からすべての業種で人手不足が続いています。
慢性的な人手不足のなか、「採用コストをかけなければ優秀な人材を獲得することはできない。しかし予算が限られている」と悩む企業や人事担当者が増えています。
採用活動に割けるリソースが限られる中小企業であればなおさら、良い人材を獲得したいが、採用コストは抑えたいと思うのも当然でしょう。
この記事では
- 採用コストにはどのような項目があるのか
- 平均的なコストはどのくらいか
- 削減すべき項目や削減する方法には何があるのか
など、採用コスト削減について詳しく解説していきます。
1. 採用コストとは
採用コストとは、企業が人材採用にかける費用のことで、大きく分けて採用前に発生するコストと採用後に発生するコストの2種類があります。
また、採用前に発生するコストは、さらに内部費用と外部費用に分けられます。では、細かく見ていきましょう。
1-1. コストの種類
採用にかかるコストには、以下のようなものがあります。
1-1-1. 採用前
内部費用
- 採用計画にかかる費用(採用ミーティングに参加する社員の人件費、ツールの準備など)
- 会社説明会の開催費(会場の確保、機材レンタルなど)
- 選考にかかる費用(電話料金、面接担当者の人件費など)
外部費用
- 求人情報誌や求人サイトへの掲載費
- 転職エージェントへの報酬
- 人材派遣会社への報酬
- 合同説明会への出展費
- 会社案内製作費
1-1-2. 採用後
- 新入社員研修費
- その他教育費(語学、ITなど)
これらのほか、インターンシップやダイレクトリクルーティングにかかる費用、最近ではテレワークやサテライトオフィスでの業務に関連する研修費用など、企業や状況によってさまざまなコストが発生します。
新卒採用と中途採用で採用コストを比較した場合、中途採用のほうが求職者に求める条件が上がるため、採用コストも高くなるといわれています。
ただし、業種や職種、採用者の年齢などによっても採用コストは異なります。
1-2. 新卒採用および中途採用1人あたりの平均採用コスト
では、平均的な採用コストについて見ていきましょう。
株式会社リクルートキャリア就職みらい研究所の「就職白書2019」によると、2018年度の新卒採用1人あたりの平均採用コストは72.6万円だったのに対し、中途採用では84.8 万円(※)でした。前述のとおり、中途採用の方がコストが高くなる傾向のようです。
※2018年度新卒・中途採用を実施している企業/実数回答
出典:株式会社リクルートキャリア就職みらい研究所「就職白書2019」P.19
(調査期間:2018年12月19日〜2019年1月28日)
採用方法別の平均採用コスト
採用方法によっても採用コストは異なります。
厚生労働省の資料から、1件あたりの平均採用コストを採用方法別に見てみましょう。
- 民間職業紹介事業者(紹介会社) 51.8万円
- インターネットの求人情報サイトへの掲載 29.6万円
- 求人情報誌への掲載 16.1万円
- 委託募集 11.6 万円
出典:厚生労働省「職業紹介事業に関するアンケート調査 結果の概要」
(調査期間:2013年12月13日~2014年1月10日)
紹介会社や求人情報サイトを利用すると、1件あたりかなりのコストがかかることがわかります。
2. 企業が削減したいコスト
採用コストのなかでも、積極的に削減したいコストには、以下のようなものがあります。
2-1. 効果的でない情報提供にかかるコスト
良い人材を集めるには、企業の情報をできる限り多く発信したいものです。
しかし、情報更新が頻繁に発生するような内容のパンフレットを数多く印刷する、求める人材が集まりにくい(希望する人材との関連性が低い)内容のセミナーを何度も開催する、といったコストは無駄になってしまいます。
2-2. 採用ミスマッチにつながる外部費用
自社が希望する人材層とのズレがある求人サイトへの掲載費や合同説明会への出展費などは、無駄なコストといえます。コストだけが発生し、採用に至らない可能性があるからです。
また、自社にマッチするかわからない状態で選考を進めてしまうと、ミスマッチや早期離職につながる可能性が高くなります。
そうなると、採用後に発生した研修費や教育費なども無駄になってしまいます。
採用ミスマッチの問題については、「採用のミスマッチとは?ミスマッチが起こる原因と対策を知ろう」を、早期離職の問題については、「早期離職を減らすには?知っておきたい離職の理由と対策」で詳しく紹介しています。
3. 採用コストを削減する方法
では、採用コストを削減する方法を見ていきましょう。
3-1. コストのかからない採用手法を利用する
採用コストをできるだけ抑えるには、自社の求める人物像とマッチしていない採用手法を利用していないか見直すことが重要です。
いくらトレンドであったり、他の企業では成果を上げていたりする手法でも、自社に合っていなければ無駄なコストがかさんでしまうだけです。効果のない採用手法は今すぐ見直しましょう。
そのうえで、コストのかからない次のような採用手法を積極的に利用するといいでしょう。
3-1-1. 求人検索エンジンの利用
例えばindeedやGoogleしごと検索など、求人情報を無料で掲載できる求人検索エンジンを利用する方法があります。
求人検索エンジンとは、Web上に公開されている求人情報を収集し、「営業 大阪」など、ユーザー(求職者)が入力した検索ワードに従って、該当する求人情報が表示されるサービスです。
自社サイトの求人情報や求人サイトに掲載した求人広告などが自動で表示されますが、検索エンジンの求人投稿画面から直接情報を投稿することも可能です。
3-1-2. SNS、企業ホームページの活用
コストがほとんどかからないSNSや、企業のWebサイトを積極的に活用しましょう。
求職者が入社後に、どのような環境で働けるかを具体的にイメージできるようなコンテンツにします。
さまざまな職種の社員の体験談を掲載するのも、ミスマッチの防止につながります。
3-1-3. ハローワークの利用
無料で求人を掲載できるハローワークも積極的に利用するといいでしょう。
ただし、ターゲットがハローワークを積極的に利用しない層である場合は、これだけで採用に成功するのは難しいかもしれません。
自社Webサイトの活用やリファラル採用など、ほかの低コストの採用手法も併用するといった工夫が必要です。
3-1-4. タレントプール、リファラル採用を活用
タレントプールやリファラル採用といった手法を用いることで、コストを抑えた採用活動が可能です。
タレントプールはコストを抑えられるだけでなく、人材データの蓄積によって将来の採用活動につなげられるという利点もあります。
また、リファラル採用では、採用市場に出てこない人材を見つけられる可能性もあります。
「タレントプール」について詳しくは、「タレントプールとは?効率よく優秀な人材を採用するための手法」をご覧ください。
以上のように、コストのかからない採用手法を上手に利用することがコスト削減につながります。
ただし、以上の手法が自社に合わなければ、肝心の採用につながりません。
その場合は、改めて他の手法を検討する、他の手法と併用するなどの対策が必要です。
主な採用手法とその特徴については、「母集団形成とは何か?成功させるためのポイントと10の手法を紹介」で解説していますので、ご覧ください。
3-2. 採用ミスマッチを防いで無駄なコストを減らす
採用のミスマッチの防止に効果が期待できる次のような施策も、コスト削減につながります。
3-2-1. インターンシップの活用
インターンシップの活用もおすすめです。インターンシップを実施するコストは発生しますが、採用のミスマッチや早期離職を防ぎやすくなるため、採用後の研修費や教育費など無駄なコストの発生を防ぎます。
また、企業では個人としてだけでなく、チームとしての生産性を高めることが重要です。インターンシップの期間が、チームワークを高められる人材かどうかを見極める機会になることも期待できます。
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「インターンシップ」について詳しくは、「インターンシップとは?その種類や企業側のメリット・デメリットなどを解説」を、チームワークを高めることの重要性については、「チームビルディングとは?その目的・手法・取り組み方などすべてを紹介」をご覧ください。
3-2-2. アセスメント(適性検査)の実施
アセスメント(適性検査)とは、その人の資質や能力などを、第三者に依頼したりツールを利用したりして客観的に評価すること。その結果を人材の育成、配置などに活かします。採用する前に人材アセスメントができれば、採用ミスマッチや早期離職を防ぐことが期待できます。
CIY®は、求職者の性格、資質、能力などを客観的に評価する人材アセスメントツールです。
登録企業も事前に診断を受けることで、企業が求める人材と候補者のマッチングを行い採用のミスマッチを防ぎます。
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4. 採用コストを削減する際の注意点
採用コストの削減を目指す際には、次の点に注意する必要があります。
4-1. 求人広告媒体の効果を吟味する
求人広告の媒体を減らしすぎると、求める人材が集まりにくい可能性もありますが、多すぎても無駄な場合があります。
媒体に掲載している広告の効果をきちんと検証する必要があるでしょう。
効果のない媒体への掲載を早めに切り上げることで、採用コストを削減できます。
4-2. スマートフォン対応は必須
企業のWebサイトに求人情報を掲載する場合には、スマートフォン対策を行うようにしましょう。
特に新卒採用のように、主にスマートフォンで情報収集する若年層の採用には必須といえます。
スマートフォン対応が行われていなければ、求人情報を見てももらえず、古い体質の企業だとみなされるおそれもあり、良い人材が集まらない可能性もあります。
4-3. すべてを内部で行おうと無理をしない
採用にかけられるコストに限りがあると、コストを抑えるため、できる限り社内で済ませてしまおうと考えるかもしれません。しかし、かえって非効率になり、無駄なコストが発生する場合があります。
また、採用に関わる社員の負担が増大し、従業員満足度の低下につながる可能性もあります。
必要であればコストがかかっても外部のツールを使用したり、反応の良い求人広告媒体は多少高くても引き続き利用したりするなど、メリハリをつけた採用活動を行いましょう。
なお、既存従業員の満足度が向上すると、求職者に対する企業の魅力が伝えやすく採用力が向上するため、結果的に採用コストの削減につながります。
詳しくは、「従業員満足度とは?調べ方と分析方法、向上させる方法をわかりやすく説明 」でご紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
5. 採用にかけているコストをいま一度見直そう
企業の業務においては限られたリソースをうまく活用したいものですが、それは、採用活動においても同じです。
現在の採用にかけているコストは自社に本当に必要か、代替手段はないか、コストを下げることは可能かといったことを、いま一度確認してみるとよいでしょう。
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