早期離職を減らすには?知っておきたい離職の理由と対策
早期離職とは、企業に入社してから短期間で離職することです。採用や教育にはかなりコストがかかってきますが、早期離職が起こると、そのコストが無駄になります。
また、早期離職する社員が出てくると、周りの社員が影響されて、連鎖的に離職が増えるといったことが起こるケースもあります。
目次
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人事部門の大きな悩みのひとつとなる「早期離職」。
できればその数をゼロにしたいものですが、そもそも早期離職の理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
そして、それに対して企業側ではどのようなことができるのでしょう。
今回は若者の離職率や離職の理由を踏まえ、企業側の原因や可能な対策をお伝えします。
1. 早期離職とは
早期離職とは、企業に入社してから短期間で離職することです。採用や教育にはかなりコストがかかってきますが、早期離職が起こると、そのコストが無駄になります。
また、早期離職する社員が出てくると、周りの社員が影響されて、連鎖的に離職が増えるといったことが起こるケースもあります。
早期離職はできる限り防ぎたいものですが、そもそも実際にどのくらいの人が早期離職をしているのでしょうか。
1-1. 厚生労働省が発表している3年以内離職率
特に問題になる「若年者の離職率」を見てみましょう。
厚生労働省が発表しているデータ「新規学卒者の離職状況」によると、2017年(平成29年)3月卒の新規学卒者が就職後3年以内に離職した割合は以下のとおりです。
3年以内離職率 | |
中学卒 | 59.8% |
高校卒 | 39.5% |
短大卒 | 43.0% |
大学卒 | 32.8% |
どの学歴でも3年以内離職率は30%を超えており、多くの若年者が就職先を早期に離れていることが分かります。
なお、厚生労働省の調査によると、大学卒の3年以内の離職率は平成7年以降ほぼ毎年30%を超えており、早期離職はもはや常態化していると言えます。
2. 早期離職の理由
若年者の早期離職の理由は何でしょうか。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査レポートの第5章“離職者全体にみる「初めての正社員勤務先」を離職した理由”のなかから回答が多かったものを抜粋して見てみましょう。
2-1. 早期離職の理由ランキング
- 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかったため
- 賃金の条件がよくなかったため
- キャリアアップするため
- 肉体的・精神的に健康を損ねたため
- 人間関係がよくなかったため
- 会社に将来性がないため
- 自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため
- 仕事が上手くできず自信を失ったため
- 希望する条件により合った仕事が他に見つかったため
- ノルマや責任が重すぎたため
出典:調査シリーズNo.191若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ(第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査) 2019年3月29日
上記の理由のほかに、女性の場合は「結婚・出産のため」という回答も多くありました。
こうした理由を生む原因は何でしょうか。
早期離職者側で、就職活動の際にリサーチが足りなかった可能性もありますが、企業側に原因があるケースもあるでしょう。
企業としては、その原因を探り、同じような理由で早期退職する社員を減らしていかなければなりません。まずは原因を整理し、それらの原因について対策を立てることが必要です。
早期離職の理由を生む原因として考えられるものを見ていき、その対策を紹介します。
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3. 早期離職の理由を生む原因
まずは、前項で見た「早期離職の理由」を生んだ可能性がある、企業側の原因を見てみましょう。
3-1. 労働条件・キャリア形成について採用前の説明が足りない
労働時間や賃金などの労働条件やキャリア形成について、採用前に求職者に対して十分に説明していない場合、入社後にその人材が「想像以上に残業時間が長い」「賃金が思っていたより良くない、上がらない」「想像よりもキャリアアップの可能性がない」と考え、離職につながることもあるでしょう。
3-2. 賃金・キャリア形成について入社後の評価が適切でない、または話し合いが足りない
賃金について入社後に評価が適切になされない場合、あるいは、キャリアについての話し合いがなされない場合も、社員が賃金やキャリアに不満を抱く可能性が高まります。
3-3. 職場環境、休暇制度が整えられていない
職場の設備が整っていない、必要な休暇制度が整えられていないといった理由で肉体的・精神的に健康を損ねたり、結婚・出産のために離職したりすることも考えられます。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構のレポート「調査シリーズNo.205 事業所における労働者の休養、清潔保持等に関する調査」によると、休憩室のない事業所は約4割、休養室のない事業所は約7割に上っています。
社員が適時に休憩、休養を取れる設備がない企業は少なくないようです。
3-4. 社内コミュニケーションが足りない
同僚や上司とのコミュニケーションがとりにくいと、人間関係が悪化することもあります。
人間関係に問題が生じそうなときでも、話し合える状況がつくりやすければ、関係の悪化を防げる可能性が高まりますが、部署内でほかの社員と気軽に話しにくいといった問題があれば、関係を良好に保てなくなることもあるでしょう。
3-5. 企業としてのビジョンを示せていない
社員の入社時には、企業理念や企業としての目標を伝える企業が多いかもしれませんが、入社時だけでは足りません。
継続的に企業としてのビジョンを示さなければ、社員が会社に将来性を感じられなくなる可能性があります。
3-6. 入社後のフォローが足りない
適切な研修を行っていない場合や能力開発のためのフォローが足りない場合、職務について社員との面談を行っていない場合には、社員が自分のやりたい仕事ができないと感じたり、自信を失ったりすることがあります。
また、ノルマや責任を「重い」と感じやすくなります。
3-7. 採用時にミスマッチが生じている
採用時に仕事内容について採用側と求職者側の認識にズレが生じている場合、入社後に、「これは自分がやりたい仕事とは異なる」「自分の希望する条件により合った仕事を見つけたい」と感じる可能性があります。
4. 早期離職を防ぐための対策
これまで見てきたことを踏まえ、早期離職を防ぐための対策を紹介します。
4-1. 労働条件・キャリア形成についての説明方法、評価、面談などを見直す
労働時間や賃金などの労働条件・キャリア形成について、採用側と求職者側、あるいは企業側と社員側とで認識のズレがないようにします。
面接時には、労働時間や賃金、キャリアなどについて良い面だけを強調して伝えるのではなく、企業としてはあまりアピールしたくないような点でも、求職者が知りたい情報をきちんと提供するようにしましょう。
4-2. 職場環境を整え、多様な働き方ができるようにする
職場に休憩所など必要な設備を設けたり、休暇を取りやすくしたりすることで、社員の健康を守れるようにします。
さらに、必要に応じてリモートワークやサテライトオフィスでの勤務、フレックスタイムなど、多様な働き方を認めることで社員のモチベーションが維持される、健康管理をしやすくなるなどのプラスの影響が期待できます。
また、結婚・出産のために離職する人を減らせる可能性もあります。
4-3. 気軽に社内コミュニケーションができる環境をつくる
オフィスのレイアウトを見直すなどして、気軽に社内コミュニケーションができるようにします。
フリーアドレス制、ファミレス席、社内カフェなどの導入を検討してみてもよいでしょう。
4-4. 企業のビジョンを示す
採用時も入社後も企業のビジョンを分かりやすく説明し、その価値観に共感してもらうようにします。
その時々の企業としての目標を、社内イベントや企業ホームページ上で発表する、あるいは動画を作成して表現するなどして、社員の間に浸透させるのもよいでしょう。
4-5. 入社後のフォローを強化する
入社後にモチベーションが下がったり、キャリアの方向性が定まらずに悩んだりする社員に対しては、入社後のフォローが必要です。
入社直後や、その後、社員研修や面談を行うことで、社員の能力開発を行ったり、キャリア形成についての方向性を確認し合ったりするとよいでしょう。
4-6. 採用のミスマッチを防ぐ
採用のミスマッチは、求職者側、企業側双方にとって大きなロスが生じるため、これを可能な限り防ぐことが人事部門の重要な課題となります。
採用のミスマッチについては、インターンシップを利用して事前に双方がお互いを理解しておくことが有効な対策となります。
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採用のミスマッチについては、「採用のミスマッチとは?ミスマッチが起こる原因と対策を知ろう」で、インターンシップについては「インターンシップとは?その種類や企業側のメリット・デメリットなどを解説」で詳しく紹介していますので、そちらもご参照ください。
5. 早期離職を防止するため、原因を知りそれに応じた対策を講じよう
早期離職の数が多くなると、それまでにかけてきたさまざまなコストが無駄になります。それだけではなく、残った社員のモチベーションや今後の採用活動に悪影響を及ぼす恐れもあります。ご紹介した原因と対策をご参考に、ぜひ早期離職を防いでください。
なお、さまざまにある早期退職の原因のなかでも、採用時のミスマッチは大きな課題です。これを防ぐことができれば、教育コストや給与・社会保険料など採用後の無駄なコストの発生も回避できます。
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