更新:2022.08.26|公開:2021.05.10
ポテンシャル採用とは?メリット・デメリットと導入の注意点を解説
ポテンシャル採用とは、潜在する能力・可能性としての力(=ポテンシャル)を重視して行う採用のことです。
目次
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この記事のポイント
今すぐの即戦力を期待するキャリア採用とは異なり、今後の戦力となる“可能性・将来性”を評価して採用を行うのがポテンシャル採用の特徴です。
少子高齢化により人材不足が深刻化している現代では、ポテンシャル採用に注目が集まっています。
実際、多くの企業がポテンシャル採用の導入をスタートしており、今後の採用活動においてポテンシャル採用は押さえておくべき重要ポイントです。
そこで本記事では、これからの人材採用に欠かせないといっても過言ではない「ポテンシャル採用」について、詳しく解説します。
本記事のポイント
- ポテンシャル採用の基礎知識が身に付く
- メリット・デメリットの両面を解説
- 導入の流れや注意点までわかる
「ポテンシャル採用について知りたい」
「ポテンシャル採用がどんなものなのか知って、自社に導入するか決めたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「ポテンシャル採用の基本」はもちろん、良いところ・悪いところの両方が把握でき、失敗を避けるためにどうすれば良いかも理解できます。
結果として、自社にとって最適なポテンシャル採用を実現できるはずです。ではさっそくポテンシャル採用の解説を始めましょう。
1. ポテンシャル採用とは
まずはポテンシャル採用の基礎知識から解説します。
1-1. ポテンシャル採用とは“将来性”を重視する採用のこと
冒頭でも触れましたが、ポテンシャル採用とは、潜在する能力・可能性としての力・将来性(=ポテンシャル)を重視して行う採用のことです。
現時点では、実務経験や即戦力になるスキルを持っていなくても、将来的に戦力になる可能性(=ポテンシャル)を持っていれば、そのポテンシャルが評価されるのが、ポテンシャル採用の特徴です。
ポテンシャル採用の選考は、「その人が現在できること」よりも「その人が将来できるようになること(将来性)」に着目して行われます。
1-2. ポテンシャル採用とキャリア採用の違い
ポテンシャル採用という言葉は、「キャリア採用」と区別するために使われることの多い言葉です。キャリア採用は、ポテンシャル採用の対義語にあたり、以下の違いがあります。
▼ ポテンシャル採用とキャリア採用の違い
評価ポイント | 未経験の可否 | 対象 | |
ポテンシャル採用 | 潜在能力・将来性 | ◯ 未経験可 | 若手(20代中心) |
キャリア採用 | 即戦力となる実務経験・スキル・専門知識 | × 未経験不可 | 中堅以降(30代40代以降が中心) |
キャリア採用では「現在できること」が評価され、ポテンシャル採用では「将来できること」が評価されるという違いがあります。
1-3. ポテンシャル採用と新卒採用の違い
次にポテンシャル採用と新卒採用の違いについても、確認しておきましょう。
新卒採用とは、大学・高校・専門学校などを卒業予定の学生を対象に採用を行うことです。学生は就労経験がないため、広義では新卒採用はポテンシャル採用になります。
学生には即戦力となる実務経験はありません。入社後に経験を積んで成長し、やがて戦力となる将来性に期待して採用するので、ポテンシャル採用の一種です。
ただし、採用の現場で「ポテンシャル採用」という言葉を使う際には、主に中途採用を指します。
というのは、新卒採用がポテンシャル採用であることは当然なのであえてポテンシャル採用と呼ぶ必要はありませんが、中途採用ではキャリア採用なのかポテンシャル採用なのか区別する必要があるためです。
まとめると、広義では新卒採用もポテンシャル採用の一種ですが、単に「ポテンシャル採用」と表現する際には、“ポテンシャル採用の中途採用”を指すケースが多いと覚えておきましょう。
1-4. 近年ポテンシャル採用が注目されている理由
近年、ポテンシャル採用には注目が集まっています。その理由として挙げられるのが「深刻な若手の人材不足」です。
日本国内の状況として、少子高齢化が進み、労働人口が減少しています。
労働市場は売り手市場(求職者にとって有利、求人企業にとって不利)が続いており、「なかなか良い人材が採用できない」と悩む企業が増えているのです。
そこで、今までは新卒採用・キャリア採用しか行ってこなかった企業が、続々と「ポテンシャル採用」を打ち出して、間口を広げる試みを行っています。
例えば、ヤフー株式会社では2016年10月から経歴にかかわらず応募できる「ポテンシャル採用」の採用枠を新設。就業経験の有無にかかわらず、30歳以下であれば応募が可能です。
今度も人材不足は継続することから、企業のポテンシャル採用導入の流れはさらに広がっていくと考えられます。
2. ポテンシャル採用のメリット
ポテンシャル採用には、どんなメリットがあるのでしょうか。3つのポイントが挙げられます。
- 自社に合う人材に出会える可能性が高まる
- 新卒採用に比較して育成コストがかからない
- 多様性のある人材を採用できる
それぞれ詳しく見てみましょう。
2-1. 自社に合う人材に出会える可能性が高まる
1つめのメリットは「自社に合う人材に出会える可能性が高まる」ことです。
ポテンシャル採用では、実務経験や現在持っているスキルなどの応募に必要な要件が、少なく設定されます。
要件が少ない分、応募可能な対象者が増えて、より多くの人に間口を広げた採用活動が可能です。
応募者の母数が増えれば、それだけ自社に合う人材に出会える可能性は高くなります。
2-2. 新卒採用に比較して育成コストがかからない
2つめのメリットは「新卒採用に比較して育成コストがかからない」ことです。
中途採用においてポテンシャル採用を実施する場合、応募者は就労経験のある転職者になります。
募集する職種での実務経験はなくても社会人経験はあるため、社会人としての基礎知識やビジネスマナーなどを教育する育成コストがかからない点がメリットとなります。
新卒採用をする場合には、新卒向けの研修カリキュラムを準備しなければなりませんが、中途のポテンシャル採用では、新人研修を省略できます。
2-3. 多様性のある人材を採用できる
3つめのメリットは「多様性のある人材を採用できる」ことです。
実務経験や即戦力になることを重視して採用を続けていくと、入社する人材に一定の偏りが出ることは、よくあります。その業界特有の癖や特性を持った人材が集中しやすいためです。
結果として、社内のモノの見方や考え方は柔軟性を失って硬直化し、イノベーションは生まれにくくなります。
そこで、あえてポテンシャル採用を行って、既存社員とは異分子となる人材を採用すると、組織に多様性が生まれます。
多様性はイノベーションを生む原動力となりますから、新しい切り口や新機軸によって、新たな価値を生み出すことができるでしょう。
3. ポテンシャル採用のデメリット
魅力的なメリットを持つポテンシャル採用ですが、一方でデメリットも抱えています。
- 本当にポテンシャルがあるのか見極めが難しい
- 即戦力採用に比較して育成コストがかかる
- 離職率が高い傾向がある
詳しく見ていきましょう。
3-1. 本当にポテンシャルがあるのか見極めが難しい
1つめのデメリットは「本当にポテンシャルがあるのか見極めが難しい」ことです。
ポテンシャル採用とは、言い換えれば企業が求職者の将来性を買って、その将来性に投資する採用です。
リスクゼロの投資は存在しないように、ポテンシャル採用でも将来性を見誤るリスクが存在しています。
ポテンシャル採用で重要なのは「本当にポテンシャルがあるのか」の見極めですが、これは実際のところ非常に難しいものです。
採用後、年数が経過しても採用字に期待したパフォーマンスを発揮できないケースもあるのが現実といえます。
3-2. 即戦力採用に比較して育成コストがかかる
2つめのデメリットは「即戦力採用に比較して育成コストがかかる」ことです。
ポテンシャル採用のメリットとして、“新卒採用に比較すれば育成コストがかからない”ことは先に述べたとおりです。
しかし即戦力となるキャリア採用と比較すれば、当然ながらポテンシャル採用は育成コストがかかります。
ポテンシャル採用では、業界や職種が未経験の人材を採用することが多いため、業界の専門知識や職種に求められるスキルなどを育成する体制が不可欠です。
戦力として独り立ちし、成果を挙げられるようになるまでは、育成してサポートしていく必要があります。
3-3. 離職率が高い傾向がある
3つめのデメリットは「離職率が高い傾向がある」ことです。
企業にもよるので一概に断定はできませんが、一般的にはポテンシャル採用で採用された人は、離職率が高い傾向にあるいわれます。
その理由としては2つあります。1つめの理由は、中途のポテンシャル採用の主な対象者となる若手は、比較的短期間で前職を退職している人が多いためです。
フットワーク軽く転職する習性を持つ人は、「この会社は合わない」と感じれば、次の転職先を目指す可能性が高くなります。
2つめの理由は、ポテンシャル採用では、社内で居場所を見つけにくいことがあるためです。新卒採用のように同期もいないなか、すぐ戦力になれない状況で働くのはつらいものです。
企業としては育成過程にあるつもりでも、途中で離職してしまうケースも少なくありません。
本当にポテンシャルがあるのか見極め、離職率を下げるために、採用前に自社の求める人物像を明確にしておくことが重要です。
求める人物像を明確にするために、以下のような診断ツールを活用するのがおすすめです。
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4. ポテンシャル採用はこんな企業におすすめ
メリット・デメリットの両面があるポテンシャル採用は、自社にとって取り入れるべきものなのか、迷うところかもしれません。
そこで、ポテンシャル採用はどんな企業におすすめなのか、ご紹介します。
- 即戦力キャリア採用だけでは人手不足が補えない企業
- 新卒採用する余裕はないが若手を採用したい企業
- 多様性によってイノベーションを生みたい企業
それぞれ見てみましょう。
4-1. 即戦力キャリア採用だけでは人手不足が補えない企業
1つめは「即戦力キャリア採用だけでは人手不足が補えない企業」です。
今まで即戦力となるキャリア採用を行ってきたものの限界を感じている場合には、もうポテンシャル採用へと間口を広げていくしかありません。
もちろん、即戦力の人材を採用できるに越したことはありませんが、今後は即戦力の人材の採用は、ますます難航していくと考えられます。
状況によっては、高いコストをかけて即戦力人材の採用に固執するよりは、早くポテンシャル採用をスタートして人材を育てたほうが効率的といえます。
4-2. 新卒採用する余裕はないが若手を採用したい企業
2つめは「新卒採用する余裕はないが若手を採用したい企業」です。
新卒採用となると、採用プロセスから新人研修・教育まで、多くのリソースが必要になります。特に中小企業では、新卒採用に興味はあっても余裕がないために導入できないという会社が多いでしょう。
しかしながら、新卒採用を行わないと、従業員の平均年齢が上昇し組織が高齢化してしまう問題があります。高齢化を放置すると、世代承継性や生産性が下がり、業績が悪化するリスクがあります。
そこで、新卒採用ほどの労力はかけずに組織の若返りを図るために、ポテンシャル採用が効果的です。
定期的なポテンシャル採用によって若手社員を増やしていけば、組織の若返りが可能になります。
4-3. 多様性によってイノベーションを生みたい企業
3つめは「多様性によってイノベーションを生みたい企業」です。
既存の枠組みとらわれずに新たな価値を生み出すイノベーションを重視する価値観の企業であれば、ポテンシャル採用を積極的に活用したいところです。
先にも触れたとおり、ポテンシャル採用には、「将来性・可能性」を軸に求人の間口を広げ、多種多様な人材の応募を可能にするというメリットがあります。
さまざまな個性あふれるメンバーを集め、イノベーションが生まれる組織づくりに取り組みたい企業には、ポテンシャル採用がおすすめです。
5. ポテンシャル採用を導入する方法 3ステップ
「自社でもポテンシャル採用を導入してみたい」という方のために、導入方法をご紹介します。
- ステップ1:求める人物像と採用選考の評価基準を明確にする
- ステップ2:自社の理念・企業文化・仕事内容などを明確にする
- ステップ3:ポテンシャル採用であることを明示して求人する
詳しく見てみましょう。
5-1. ステップ1:求める人物像と採用選考の評価基準を明確にする
1つめのステップは「求める人物像と採用選考の評価基準を明確にする」です。
ポテンシャル採用では、実務経験や保有スキルのような客観的に誰にでもわかる指標が存在しません。
ポテンシャル採用のデメリットとして“本当にポテンシャルがあるのか見極めが難しい”ことは、先にも述べたとおりです。
だからこそ、求める人物像を明らかにし「何をもってポテンシャルと評価するか」の評価基準を明確にしておくことが大切になります。
例えば、競争性・慎重性・革新性・行動性など、どんな特性を持った人物なら将来性があると判断するのかを、具体的にしておくとよいでしょう。
実際に求める人物像を作る際には、AI診断ツールを活用するのがおすすめです。簡単な質問に答えていくだけで理想の人物像が言語化され、グラフで視覚化されます。
5-1-1. 診断結果の例
5-2. ステップ2:自社の理念・企業文化・仕事内容などを明確にする
2つめのステップは「自社の理念・企業文化・仕事内容などを明確にする」です。
応募者に求める人物像や選考基準を明確にすると同時に、自社の特性や仕事内容など、企業側の情報も明確にしておく必要があります。
なぜなら、ミスマッチが起きれば、ポテンシャル採用では離職してしまう可能性が高いためです。
ポテンシャル採用での離職率をできるだけ下げるために、応募者にも自社を深く理解してもらえるよう、情報を開示しましょう。
自社の理念、企業文化、仕事内容などを具体的に言語化し、求人ページや面接時に共有するようにします。
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5-3. ステップ3:ポテンシャル採用であることを明示して求人する
3つめのステップは「ポテンシャル採用であることを明示して求人する」です。
ポテンシャル採用で十分な応募者数を獲得するためには、応募要件の縛りが少ないポテンシャル採用であることを明示することが大切です。
『ポテンシャル採用』という言葉のほか、『未経験OK』『第二新卒歓迎』などのキーワードも、ポテンシャル採用であることが伝わりやすくなります。
6. ポテンシャル採用を導入するうえでの注意点
ポテンシャル採用を導入するうえでは、注意したい点があります。
- 20代向けメディアやツールを活用して求人する
- 事前の適性チェックを緻密に行う
6-1. 20代向けメディアやツールを活用して求人する
1つめの注意点は「20代向けメディアやツールを活用して求人する」ことです。
ポテンシャル採用で若手社員を採用したいのであれば、採用したい人たちにリーチできるメディアやツールを使う必要があります。
採用広告を出す場所を間違えると「年配層の未経験者から応募がたくさん来てしまった」といった失敗の原因となります。
ポテンシャル採用の求人は、欲しい人材が活用しているツールやメディアを戦略的に選定して展開することが大切です。
6-2. 事前の適性チェックを緻密に行う
2つめの注意点は「事前の適性チェックを緻密に行う」ことです。
応募者の将来性に賭けるポテンシャル採用では、通常の中途採用以上に、適性チェックが欠かせません。適性検査を導入する・面接で必ず確認する質問を決めておくなどの対策をしましょう。
また面接時には、応募者の志望動機・入社意欲・価値観といった面を丁寧にヒアリングし、応募者の本質を面接官が見極めることが大切です。
7. ポテンシャル採用を成功させるために活用したいツール
ポテンシャル採用の注意点やデメリットをクリアして、自社に合う人材の採用を成功させるために活用したいのは、企業・求職者の双方の適性を診断できるツールです。
例えば『CIY®』では、企業側の診断結果(企業の特性、文化、制度、仕事の進め方、募集職種に求められる能力など)と、求職者側の診断結果(個性、特性、性格、能力など)を踏まえて、ベストマッチの人材を発見できます。
自社の選考プロセスだけでは見極めが難しい、求職者のポテンシャルを図れるため、まさにポテンシャル採用のために活用したいツールといえます。
登録ユーザーの85%が20代で、若手人材の採用に強い点も、ポテンシャル採用におすすめのポイントです。詳しくは以下のリンクからご確認ください。
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8. まとめ
ポテンシャル採用とは、潜在的な能力・可能性としての力・将来性などを重視する採用のことです。
即戦力を期待するキャリア採用とは異なり、将来的に戦力となる可能性を評価して採用を行うのが特徴です。
少子高齢化により人材不足が深刻化している現代ではポテンシャル採用に注目が集まっており、実際に多くの企業が導入を始めています。
ポテンシャル採用のメリットとしては、以下が挙げられます。
- 自社に合う人材に出会える可能性が高まる
- 新卒採用に比較して育成コストがかからない
- 多様性のある人材を採用できる
ポテンシャル採用のデメリットとしては、以下が挙げられます。
- 本当にポテンシャルがあるのか見極めが難しい
- 即戦力採用に比較して育成コストがかかる
- 離職率が高い傾向がある
ポテンシャル採用はこんな企業におすすめです。
- 即戦力キャリア採用だけでは人手不足が補えない企業
- 新卒採用する余裕はないが若手を採用したい企業
- 多様性によってイノベーションを生みたい企業
ポテンシャル採用を導入する方法を3ステップでご紹介しました。
- ステップ1:求める人物像と採用選考の評価基準を明確にする
- ステップ2:自社の理念・企業文化・仕事内容などを明確にする
- ステップ3:ポテンシャル採用であることを明示して求人する
ポテンシャル採用を導入するうえでの注意点は次のとおりです。
- 20代向けメディアやツールを活用して求人する
- 事前の適性チェックを緻密に行う
ポテンシャル採用を成功させるために活用したいツールとして『CIY®』があります。
ポテンシャル採用にはデメリットもありますが、注意点に留意し適切なツールを活用することで、失敗リスクを最小限に抑えることが可能です。
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