【2026年最新】業界別離職率ランキング|高い・低い業界を厚労省データで比較

「自社の離職率は、業界の中で高いのか、低いのか」
離職率を評価するとき、会社全体の数字だけを見ても適切な判断はできません。
業界によって、人材の流動性には大きな差があるためです。
厚生労働省が2026年8月31日に公表した「令和7年(2025年)雇用動向調査」によると、日本全体の年間離職率は13.7%でした。
しかし業界別に見ると、最も高い宿泊業・飲食サービス業は23.7%、最も低い金融業・保険業は6.6%。
同じ「離職率10%」でも、業界によってその評価は大きく変わります。
本記事では、2026年時点で公表されている最新の厚生労働省データをもとに、全16業界の離職率を高い順にランキング。
前年からの変化や、自社の離職率を正しく評価する方法までわかりやすく解説します。
※本記事で扱う「離職率」は、厚生労働省「雇用動向調査」における常用労働者の年間離職率です。「新卒者の3年以内離職率」とは異なる指標なのでご注意ください。
この記事でわかること
- 2026年時点で最新となる日本全体の離職率
- 全16業界の離職率ランキング
- 離職率が高い業界・低い業界TOP5
- 2024年から2025年に離職率が大きく変化した業界
- 自社の離職率が高いか低いかを判断する方法
目次
日本の離職率は13.7%|2025年の最新データ
厚生労働省「令和7年(2025年)雇用動向調査」によると、2025年1年間の常用労働者の動きは次のとおりです。
| 指標 | 2025年 | 2024年 | 前年差 |
| 入職率 | 14.7% | 14.8% | -0.1pt |
| 離職率 | 13.7% | 14.2% | -0.5pt |
| 入職超過率 | 1.0pt | 0.6pt | +0.4pt |
2025年の離職率は13.7%で、前年より0.5ポイント低下しました。
入職率14.7%が離職率を1.0ポイント上回っており、日本全体では「入ってくる人の方が辞める人より多い」入職超過となっています。
また、就業形態別では、一般労働者の離職率が11.4%なのに対し、パートタイム労働者は19.9%です。
離職率を見る際には、業界だけでなく、自社の雇用構成も考慮する必要があります。
なお、「離職率は何%から高いと考えるべきか」を詳しく知りたい方は、「離職率が高い基準は何%?業界平均と判断目安」もあわせてご覧ください。
「自社は離職が多い」と感じる前に、業界×規模で揃えたベンチマークと比較しなければ、過剰な危機感や逆に油断を生みかねません。離職率の構造的な改善方法は 離職を未然に防ぐ完全ガイド で体系的に整理しています。
【2026年最新】業界別離職率ランキング
2025年の年間離職率を、厚生労働省の産業大分類ごとに高い順に並べると、次のようになります。
全産業平均は13.7%です。自社の離職率を見る際は、まず同じ業界の数値と比較してみてください。
| 順位 | 業界 | 2025年離職率 | 2024年 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 宿泊業・飲食サービス業 | 23.7% | 25.1% | -1.4pt |
| 2 | サービス業(他に分類されないもの) | 21.2% | 20.3% | +0.9pt |
| 3 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 20.1% | 19.0% | +1.1pt |
| 4 | 教育・学習支援業 | 15.1% | 13.1% | +2.0pt |
| 5 | 医療・福祉 | 14.3% | 13.8% | +0.5pt |
| 6 | 不動産業・物品賃貸業 | 12.1% | 13.5% | -1.4pt |
| 7 | 卸売業・小売業 | 11.9% | 15.1% | -3.2pt |
| 8 | 学術研究・専門・技術サービス業 | 11.7% | 11.1% | +0.6pt |
| 9 | 情報通信業 | 10.4% | 10.2% | +0.2pt |
| 10 | 鉱業・採石業・砂利採取業 | 10.2% | 9.1% | +1.1pt |
| 11 | 製造業 | 9.8% | 9.6% | +0.2pt |
| 12 | 運輸業・郵便業 | 9.0% | 10.2% | -1.2pt |
| 13 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 8.8% | 8.8% | ±0.0pt |
| 14 | 建設業 | 8.7% | 10.0% | -1.3pt |
| 15 | 複合サービス事業 | 8.6% | 7.8% | +0.8pt |
| 16 | 金融業・保険業 | 6.6% | 8.0% | -1.4pt |
出典:厚生労働省「令和7年(2025年)雇用動向調査」「令和6年(2024年)雇用動向調査」
2025年は、最も高い宿泊業・飲食サービス業の23.7%と、最も低い金融業・保険業の6.6%で、約3.6倍の差があります。
この差からも、「10%だから低い」「15%だから高い」と一律に判断するのではなく、同業界との比較が重要だとわかります。
離職率が高い業界TOP5
2025年に離職率が高かった業界は次の5つです。
- 1位:宿泊業・飲食サービス業 23.7%
- 2位:サービス業(他に分類されないもの)21.2%
- 3位:生活関連サービス業・娯楽業 20.1%
- 4位:教育・学習支援業 15.1%
- 5位:医療・福祉 14.3%
特に宿泊業・飲食サービス業は前年の25.1%から低下したものの、引き続き全業界で最も高い水準です。
一方で注目したいのが教育・学習支援業です。13.1%から15.1%へ2.0ポイント上昇し、2025年は全産業平均13.7%を上回りました。
離職率が低い業界TOP5
反対に、2025年の離職率が低かった業界は次の5つです。
- 1位:金融業・保険業 6.6%
- 2位:複合サービス事業 8.6%
- 3位:建設業 8.7%
- 4位:電気・ガス・熱供給・水道業 8.8%
- 5位:運輸業・郵便業 9.0%
特に金融業・保険業は全産業平均13.7%の半分程度となっています。
ただし、「業界平均が低い=すべての企業で離職率が低い」という意味ではありません。
同じ業界でも、企業規模、職種、雇用形態、勤務地などによって離職状況は異なります。
2024年から離職率が大きく変化した業界
最新値を見るときは、ランキングだけでなく「前年からどう動いたか」も重要です。
2024年から2025年にかけて、特に変化が大きかったのは次の業界です。
| 業界 | 2024年 | 2025年 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 卸売業・小売業 | 15.1% | 11.9% | -3.2pt |
| 教育・学習支援業 | 13.1% | 15.1% | +2.0pt |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 25.1% | 23.7% | -1.4pt |
| 金融業・保険業 | 8.0% | 6.6% | -1.4pt |
| 不動産業・物品賃貸業 | 13.5% | 12.1% | -1.4pt |
とくに卸売業・小売業は15.1%から11.9%へ3.2ポイント低下しました。
一方、教育・学習支援業は13.1%から15.1%へ上昇しています。
ただし、1年間の変化だけから業界全体の労働環境が改善・悪化したと断定することはできません。複数年の推移と合わせて見ることが重要です。
業界別の離職率を見るときの4つの注意点
①雇用形態の違いを考慮する
2025年の全産業平均では、一般労働者の離職率11.4%に対し、パートタイム労働者は19.9%でした。
パート比率の高い業界と正社員中心の業界を、同じ基準だけで比較するのは適切ではありません。
②入職率もあわせて見る
離職率が高いことは、必ずしも「人が定着しない会社が多い」という意味だけではありません。
例えば宿泊業・飲食サービス業は2025年の離職率が23.7%と最も高い一方、入職率も27.8%と高く、人材の出入りそのものが活発な業界です。
離職率と入職率をセットで見ることで、人材流動性の高さをより正確に把握できます。
③「年間離職率」と「新卒3年以内離職率」を混同しない
ネット上の「離職率ランキング」には、年間離職率と、新規学卒者の3年以内離職率が混在しています。
本記事でランキングに使用しているのは全年齢の常用労働者を対象とした年間離職率です。
一方、最新の新規大卒者の「就職後3年以内離職率」は33.8%です。これはまったく別の指標です。
④業界✕企業規模で比較する
自社の離職率をより精密に比較したい場合は、業界だけでなく企業規模も揃えて比較します。
厚生労働省の雇用動向調査では、企業規模別の離職率も公開されています。
特に中小企業では、業界平均だけでなく同規模企業との比較も行うと、自社固有の課題を把握しやすくなります。
中小企業向けの実践的な打ち手は 中小企業の離職対策|30名から取り組める実践施策 をあわせてご覧ください。
自社の離職率を正しく評価する4ステップ
業界平均と単純比較するだけでは「高い/低い」の感触しか掴めません。経営判断に使える評価には4ステップが有効です。
ステップ1:自社の年間離職率を計算する
厚生労働省「雇用動向調査」と比較する場合は、
年間離職者数 ÷ 1月1日時点の常用労働者数 × 100
を基本に計算します。
比較する統計と自社側で計算方法が異なると、正確なベンチマークにならない点に注意してください。
ステップ2:業界×規模で揃えた平均と比較する
本記事の16業界ランキングから、自社が属する産業の最新値を確認します。
「全産業平均13.7%」だけを見るのではなく、まず同業界と比較することが重要です。
ステップ3:入社年次別に分解する
同じ離職率15%でも、新卒3年以内に集中している会社と、中堅10年層が抜けている会社では、打ち手がまったく異なります。
新卒早期離職への対応は 早期離職対策|入社1年以内に辞めさせない仕組み を参照してください。
ステップ4:部署・上司別に分解する
全社平均は健全でも、特定部署・特定マネージャー配下に偏っているケースが珍しくありません。
部署別・上司別の離職率分布を可視化することで、本当に介入すべきポイントが特定できます。
離職予兆そのものを早期に捉える具体策は 離職予兆の7つのサイン|マネージャーが見逃さないチェックリスト で解説しています。
業界平均を上回っていた場合の打ち手|入口・予兆・配属の3軸
自社の離職率が業界×規模の平均を上回っていた場合、すぐに打てる施策は「入口」「予兆」「配属」の3軸に整理できます。
①入口設計:採用合否判断の精度を上げる
離職率が高い会社の多くは、入社後の対応に偏重し、採用段階での合否判断が経験と勘に依存しています。
応募者の特性データを活用し、職務適性・組織適性の両面で構造的に判定する仕組みに切り替えると、入口段階のミスマッチが大きく減ります。
CIY®適性検査を採用合否判断に組み入れた企業群では、入社3年時点の離職率が一般平均39%に対して14.7%に改善されています(※当社調べ)。
②予兆検知:定量指標とパルスで早期に把握する
勤怠変動、1on1での発言量、エンゲージメントスコア、業務量の偏りといった指標を月次でモニタリングし、閾値を超えた段階で介入します。
「なんとなく元気がない」を、可視化された数値に置き換える運用が要です。
③配属・采配の最適化:強みベースの再配置
離職の根本要因の1つに「いまの仕事と、本人の強み・特性のずれ」があります。離職対策は配置の問題として捉え直すと、退職しか解にならない局面の前に、社内異動や役割の調整で食い止められる余地が広がります。
まとめ
厚生労働省の最新調査によると、2025年の日本全体の年間離職率は13.7%でした。
ただし業界別では、最も高い宿泊業・飲食サービス業の23.7%から、最も低い金融業・保険業の6.6%まで大きな差があります。
そのため、自社の離職率を評価するときは、
①自社の離職率を正しく計算する → ②同業界と比較する → ③入社年次で分解する → ④部署・職種・上司別に確認する
という順序で見ることが重要です。
業界平均を上回っていた場合も、すぐに「待遇を改善する」といった単一施策へ進むのではなく、どの社員層・部署・入社時期で離職が発生しているのかを特定してから対策を選びましょう。
離職率そのものを改善する具体的な施策については、「離職率を下げる8つの方法|中小企業のためのリテンション戦略」で詳しく解説しています。
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