離職率を下げる8つの方法|原因別に「何からやるか」がわかる実践ガイド

更新:2026.09.23|公開:2026.07.09

離職率を下げる8つの方法|原因別に「何からやるか」がわかる実践ガイド

離職率を下げる8つの方法|原因別に「何からやるか」がわかる実践ガイド

「離職率を下げたいが、結局どの施策から始めればいいのかわからない」
「1on1、オンボーディング、評価制度、サーベイ……全部やる余力はない」

離職率を下げるために重要なのは、施策をたくさん実施することではありません。自社で「どこに離職が集中しているか」を特定し、その原因に近い施策を1〜2個に絞ることです。

入社直後の退職が多い会社と、特定部署で中堅社員が辞める会社では、優先すべき対策は違います。退職の申し出が出てから行う引き止めと、日常的な定着施策も役割が異なります。

本記事では、離職率を下げる8つの方法を並べるだけでなく、自社の状態 → 優先すべき施策 → 最初にやることの順で整理します。

離職防止・離職対策の全体像から確認したい方は、先に【2026年最新】離職防止・離職対策の完全ガイド|原因別の具体策と進め方をご覧ください。

CIY®才能カルテ

この記事でわかること

  • 自社の離職率を下げるために、最初に確認すべきこと
  • 症状別に、8つの施策のどれを優先すべきか
  • 施策の優先順位を決める4つの判断軸
  • 採用・オンボーディング・1on1・評価・キャリア・働き方の改善方法
  • 離職率改善を始めるための30日アクションプラン
  • 離職率以外に確認したい途中指標

図解_離職率を下げる8つの方法|原因別に「何からやるか」がわかる実践ガイド

目次

まず診断|自社はどの離職対策を優先すべき?

8つの施策をすべて実施する必要はありません。まず、現在の離職の起き方に最も近いものを確認してください。

自社で起きていること 優先して確認する原因 優先施策 関連記事
自社の離職率が高いのか、どこに問題があるのかわからない 部署・勤続年数・雇用形態・退職理由の偏り まず分析。施策はまだ決めない 離職率が高い基準は何%?
離職率が高い会社の10の共通点
入社数か月〜1年以内の退職が多い 採用時の期待値のズレ、入社後の孤立、役割不明 方法1・2 早期離職対策
オンボーディング90日プラン
配属後に「仕事が合わない」という退職が多い 役割・配置・上司との関わり方 方法3・4 1on1のやり方完全ガイド
特定の部署・上司のもとで離職が集中している マネジメント、対話、評価・フィードバック 方法4・5 心理的安全性と離職の関係
1on1と評価面談の違い
若手・中堅から「成長できない」「先が見えない」という声がある キャリア、成長機会、役割の固定化 方法6 離職率が高い会社の10の共通点
残業・負荷偏在・休みにくさが目立つ 業務量、働き方、職場環境 方法7 心理的安全性と離職の関係
突然の退職が多く、辞意が出るまで気づけない 日常の対話不足、状態変化を拾う仕組み 方法4・8 離職予兆の7つのサイン
離職防止ツールおすすめ7選
すでに退職の申し出を受けている 本人の退職理由、改善可能性、残留社員への影響 方法8 退職の引き止め方
離職連鎖を防ぐ方法

「一般的に効果が高そうな施策」ではなく、「自社で実際に起きている離職に近い施策」を選ぶことがポイントです。

離職率を下げる前に|平均値だけで施策を決めない

厚生労働省の「令和7年(2025年)雇用動向調査」では、常用労働者全体の年間離職率は13.7%でした。

ただし、一般労働者とパートタイム労働者、業界、企業規模などによって水準は異なります。そのため「13.7%を超えたから何か施策を導入する」という判断では不十分です。

自社では、少なくとも次の4つに分けて確認します。

  • 部署別:特定部署・特定マネージャーに集中していないか
  • 勤続年数別:入社直後、1〜3年、中堅層など、どこで増えているか
  • 雇用形態・職種別:特定の働き方や職種に偏っていないか
  • 退職理由別:採用ミスマッチ、上司、評価、成長、働き方など何が多いか

全国・業界平均との比較方法は、【2026年最新】離職率が高い基準は何%?平均13.7%と判断目安と【2026年最新】業界別離職率ランキングで詳しく解説しています。

施策の優先順位は4つの判断軸で決める

原因の候補が複数ある場合は、次の4つで優先順位を決めます。

判断軸 確認すること 優先度を上げる例
①発生頻度 同じ原因・同じ部署で繰り返しているか 直近の退職者の複数人に共通している
②影響度 事業・チームへの影響が大きいか 採用難職種やキーパーソンの離職が続いている
③改善可能性 会社側で変えられる原因か 役割不明、評価説明不足、業務負荷など改善余地がある
④緊急度 今すぐ対応しないと悪化するか 同じ部署で退職申出が続く、残留社員の負荷が急増している

4項目すべてが高い課題から着手します。反対に、本人の転居や家族事情など、会社側では解決しにくい理由まで「離職率改善施策」で無理に解決しようとする必要はありません。

最初に選ぶ施策は1〜2個で十分です。実行担当者と確認指標まで決められる範囲に絞りましょう。

離職率を下げる8つの方法|「どんな会社に必要か」で選ぶ

方法 優先したい状態 最初の一手
1. 採用時のミスマッチを減らす 入社直後の「聞いていた話と違う」が多い 仕事内容・期待役割・働き方の情報を具体化する
2. オンボーディング90日を設計する 入社数か月以内の離職・孤立が多い 30・60・90日の確認項目と相談先を決める
3. 配属・役割を見直す 配属後のミスマッチ、強みを活かせない不満が多い 本人の強み・希望と役割期待をすり合わせる
4. 1on1・定期対話を整える 退職直前まで悩みに気づけない 相談・成長支援の時間を定期的に設ける
5. 評価・フィードバックの納得感を高める 評価への不満、期待役割の曖昧さがある 評価基準と評価理由を説明できる状態にする
6. キャリア・成長機会をつくる 若手・中堅から「先が見えない」という声がある 今後の役割・成長テーマを定期的に話す
7. 業務量・働き方・職場環境を改善する 残業、負荷偏在、休みにくさがある 部署・職種別に業務負荷を可視化する
8. 状態変化〜退職申出後の対応を決める 突然の退職、退職連鎖が起きている フォロー担当・相談ルート・退職申出後の対応を決める

方法1:採用時のミスマッチを減らす

選ぶべきケース:入社後すぐに「仕事内容が想像と違った」「自分に合わなかった」という退職が多い場合です。

採用段階では、良い面だけでなく、実際の仕事内容、期待する成果、働き方、チームの進め方などを具体的に伝えます。求人票・面接・オファー時の説明にズレがないかも確認します。

適性検査は、面接だけでは把握しにくい特性を確認する補助材料として活用できます。ただし、検査結果だけで「定着する・しない」を断定するのではなく、職務要件や面接情報と合わせて判断します。

早期離職に絞った対策は、早期離職対策|採用・配属・90日プランで1年以内の退職を防ぐをご覧ください。

方法2:オンボーディング90日を設計する

選ぶべきケース:入社直後の「何をすればいいかわからない」「誰に相談すればいいかわからない」という状態が目立つ場合です。

最初から大掛かりな研修制度を作る必要はありません。まず、入社初日・1週間・30日・60日・90日の節目で、役割理解、業務上の困りごと、相談先、期待値のズレを確認できる仕組みを作ります。

具体的な設計は、オンボーディングで離職防止|入社後90日プランの作り方で詳しく解説しています。

方法3:配属・役割を見直す

選ぶべきケース:入社後しばらくして「仕事が合わない」「強みを活かせない」という不満が増えている場合です。

本人の希望だけで配属を決めるのでも、会社側の欠員だけで決めるのでもなく、期待する役割、本人の強み・経験、上司の支援方法をセットで確認します。

すぐに異動できない場合でも、担当業務の比率や任せる仕事を調整することで改善できるケースがあります。

方法4:1on1・定期対話を整える

選ぶべきケース:退職の申し出を受けて初めて、本人が長く悩んでいたことに気づくケースが多い場合です。

1on1は離職を直接防ぐための面談ではなく、日常の困りごとや成長テーマを継続的に話せる場として設計します。

頻度に一律の正解はありません。本人の状況や業務変化に合わせ、週1回〜月1回程度を目安に調整します。実施回数だけをKPIにせず、前回の話が次回につながっているかも確認します。

基本の進め方は、1on1のやり方完全ガイド|目的・進め方・頻度・準備を実践解説をご覧ください。

方法5:評価・フィードバックの納得感を高める

選ぶべきケース:「何を評価されているかわからない」「頑張っても評価が変わらない」といった声がある場合です。

評価制度そのものを大幅に変更する前に、評価基準、期待する行動、評価理由を本人へ説明できているかを確認します。日常のフィードバックと、正式な人事評価の場を分けておくことも重要です。

1on1と正式な評価の切り分けは、1on1と評価面談はどう違う?目的・頻度・評価との関係を整理で解説しています。

方法6:キャリア・成長機会をつくる

選ぶべきケース:若手・中堅社員から「この会社にいても先が見えない」「成長できない」という声が出ている場合です。

昇進だけをキャリアの選択肢にせず、今後任せたい役割、伸ばしたいスキル、社内で経験できる仕事などを具体的に話します。

異動や昇進をすぐ約束できなくても、「半年〜1年でどんな経験を積めるか」を共有することで、本人と会社の期待値を合わせやすくなります。

方法7:業務量・働き方・職場環境を改善する

選ぶべきケース:特定部署の残業、業務負荷の偏り、休みにくさ、相談しにくさが目立つ場合です。

福利厚生を追加する前に、誰に仕事が集中しているか、繁忙が一時的か恒常的か、助けを求めにくい状態になっていないかを確認します。

職場で意見や相談を出しにくい状態については、心理的安全性と離職の関係|なぜ低い職場は人が辞めるのかも参考にしてください。

方法8:状態変化〜退職申出後の対応を決める

選ぶべきケース:「突然辞める社員が多い」「退職の申し出が出るまで人事が把握できない」という場合です。

サーベイや日常の対話で状態変化に気づく仕組みを作り、気になる変化があったときに誰が確認するかを決めます。ただし、単一のスコアや行動だけで「この社員は辞める」と判断するのは避けます。

離職予兆の考え方は離職予兆の7つのサイン、ツールを使って継続的に状態を把握したい場合は離職防止ツールおすすめ7選|中小企業向けに料金・機能を比較をご覧ください。

すでに退職の申し出を受けている場合は、一律に引き止めるのではなく、本人の理由と意思を確認します。詳しくは退職の引き止め方|面談タイミングと理由別の話法をご覧ください。

やってはいけない離職率改善|施策選びの3つの失敗

1. 原因を確認せず「人気の施策」を入れる

早期離職が問題なのに福利厚生だけを追加したり、評価不満が原因なのに1on1の回数だけを増やしたりしても、原因と施策がつながっていなければ改善しにくくなります。

2. 8施策を一度に始める

同時に多くの施策を始めると、何が効いたのか判断できず、運用も続きにくくなります。最も頻度・影響度・改善可能性の高い課題から1〜2個に絞ります。

3. 離職率だけで短期評価する

離職率は結果が表れるまで時間がかかる指標です。施策開始直後は、実施率やオンボーディング状況、業務負荷、対話で出ている課題など、途中の変化も確認します。

30日で始める|離職率改善の実行プラン

「何から始めればよいかわからない」場合は、最初の30日を4ステップに分けます。

期間 やること アウトプット
1週目 離職率を部署・勤続年数・職種などで分解する 「どこで離職が多いか」の一覧
2週目 退職理由、現場ヒアリング、既存の面談・サーベイ情報を確認する 原因仮説を2〜3個に絞る
3週目 発生頻度・影響度・改善可能性・緊急度で比較する 優先施策を1〜2個決める
4週目 担当者・実施方法・確認指標を決めて開始する 30〜90日後に振り返れる運用

30〜300名規模での具体的な進め方は、中小企業の離職対策|30名から取り組める実践施策で詳しく解説しています。

離職率だけを見ない|施策ごとの途中指標を決める

離職率は重要ですが、施策の成果を離職率だけで判断すると、改善できているのかを把握するまで時間がかかります。

課題・施策 途中で確認する例
採用ミスマッチ 入社後の期待値ズレ、早期離職の理由、採用時に伝えた情報
オンボーディング 30・60・90日のフォロー実施状況、役割理解、相談先の有無
1on1・マネジメント 実施状況、継続しているテーマ、支援アクションの実行状況
評価・フィードバック 評価基準の理解、評価理由の説明状況、認識ズレ
業務量・働き方 部署別の残業・負荷偏在、有給取得状況、業務配分
状態変化への対応 フォロー対象の確認状況、面談実施、改善アクション

途中指標が改善しても、それだけで「離職率が下がる」とは断定できません。施策を続けながら、半年・1年単位で離職率と退職理由の変化も確認することが重要です。

離職対策の費用は「離職コスト」とセットで考える

施策に予算を付けるときは、SaaSや研修の費用だけでなく、現在発生している離職コストも確認します。

採用費、採用担当者の工数、引き継ぎ、教育、欠員期間など、自社で実際に発生している費用を分解すると、どの課題へ予算を振るべきか判断しやすくなります。

「社員1人の退職=必ず年収の○倍」と一律に置くのではなく、自社の条件で試算してください。具体的な方法は離職コストの計算方法完全ガイド|年収の1.75倍説の根拠で解説しています。

離職コスト試算ツールを使う

CIY®で採用から入社後のマネジメントまでつなげる

離職の原因が「採用時のミスマッチ」と「入社後のマネジメント」の両方にまたがる場合、採用と入社後で情報が分断されないことも重要です。

CIY®では、採用段階では適性検査を使って応募者の特性や自社とのマッチ度を確認し、入社後は同じ適性データを才能カルテなどのマネジメント支援につなげられます。

才能カルテでは、社員一人ひとりの特性をもとに、1on1での問いかけ、仕事の任せ方、フィードバックなどを考えるための情報を確認できます。

離職を機械的に予測するのではなく、採用・配置・日常のマネジメントで本人とのミスマッチを減らすための材料として活用する考え方です。

CIY®適性検査の詳細を見る
CIY®才能カルテの詳細を見る

CIY®才能カルテ

まとめ|離職率を下げる方法は「自社の症状」から選ぶ

離職率を下げるために、8つの施策をすべて実施する必要はありません。

まずは次の順番で進めます。

  1. どこで離職が起きているかを分解する
  2. 原因仮説を2〜3個に絞る
  3. 発生頻度・影響度・改善可能性・緊急度で優先順位を決める
  4. 原因に近い施策を1〜2個だけ始める
  5. 途中指標と離職率の両方を見ながら改善する

「何が一般的に効果的か」ではなく、「自社では何が原因で、次に何を変えるべきか」を判断できる状態をつくることが、離職率改善の第一歩です。

原因そのものを整理したい場合は離職率が高い会社の10の共通点、離職対策の全体像から確認したい場合は離職防止・離職対策の完全ガイドへ進んでください。

関連記事

執筆・監修者

人材の強みを活かした採用と配置
CIY®(シーアイワイ)

自社に応募してくれた貴重な人材の、強みを活かして採用・配置ができるの採用サービス。
独自の適性分析&マッチング技術で特許取得
(特許番号:7219981号)
企業向けサービスサイトはこちら

関連記事

AIが社員マネジメントを
サポートします

社員の才能を活かす
マネジメントを実現

才能カルテ

アイコン

6つのレポートをAIが分析して
瞬時に生成

  • 才能カルテ
  • 1on1面談
  • 仕事の采配
  • 伝え方
  • アラート
  • 本人向け

よくある質問

Q. 離職率を下げるには、最初に何をすればいいですか?
A. まず自社の離職率を、部署・勤続年数・職種・雇用形態などに分けて確認します。そのうえで退職理由や現場ヒアリングから原因の仮説を立て、原因に近い施策を1〜2個に絞ります。「とりあえず1on1」「とりあえず福利厚生」と施策から始めるより、どこで離職が起きているかを先に特定することが重要です。
Q. 離職率を下げる施策の中で、最も効果的なのはどれですか?
A. すべての会社に共通する「最も効果的な施策」はありません。入社直後の退職が多ければ採用・オンボーディング、特定部署に集中していればマネジメントや評価、若手・中堅のキャリア不安が多ければ成長機会の設計が優先です。自社の原因と施策が一致していることが重要です。
Q. 離職率改善の効果はどのくらいで出ますか?
A. 施策によって異なり、離職率そのものは結果が表れるまで時間がかかります。そのため、導入直後は離職率だけで判断せず、オンボーディングの実施状況、1on1で出ている課題、評価の認識ズレ、業務負荷などの途中指標も確認します。半年・1年単位では、離職率と退職理由の変化もあわせて見ます。
Q. 中小企業でも離職率を下げることはできますか?
A. できます。ただし、専任人事が少ない企業ほど多くの施策を同時に始めないことが重要です。離職が多い部署・勤続年数・理由を特定し、改善可能性と影響の大きい課題から1〜2施策に絞ります。大掛かりな制度改革より、入社後フォローや定期対話など小さく運用できる施策から始める方法もあります。
Q. 給与を上げれば離職率は下がりますか?
A. 給与・処遇への不満が主な原因であれば見直しが必要ですが、すべての離職を給与だけで解決できるわけではありません。採用時のミスマッチ、上司との関係、評価への納得感、成長機会、業務負荷など、別の原因が大きい場合もあります。退職理由を分解してから優先順位を決めましょう。
Q. 離職予兆を早く見つければ離職を防げますか?
A. 状態変化に早く気づくことは対話のきっかけになりますが、単一のサーベイスコアや行動から退職を断定することはできません。気になる変化があった場合は、本人の状態や困りごとを対話で確認し、必要に応じて業務・役割・マネジメントを見直すことが重要です。