更新:2023.03.09|公開:2021.10.27
【面接官必見!】採用面接で人材を的確に見抜くための質問とは?
採用面接では企業側がどのような質問を投げるのかによって、面接の「質」が決まります。
また、どこでもするような質問であっても、聞き方や聞くタイミングや掘り下げ方などで引き出せる情報量が変わってきます。
限られた面接時間のなかでは、ひとつの言葉もムダにはできません。
質問の裏にどれだけ企業側の意図が込められるのかを、しっかりと考えて策定する必要があります。
ここでは面接において、人材を見抜くための質問方法や内容について解説します。
目次
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1. 人材を的確に見抜く面接にするための事前準備
面接で自社が必要とする人材を的確に見極めていくためには、次のような事前準備が必要です。
どのような人材が必要なのかを明確にする
面接のゴールとなる最適な人材獲得を目指すうえでは、自社に必要な人材を明確化する必要があります。
明確化に当たっては、漠然としたイメージや表現ではなく、できる限り具体的に言語化することが大切です。
その際、「○○の専門知識がある」「○○の資格を持っている」など業務に求められるスキルや知識、資格などだけではなく、自社で長期間活躍できる人柄や企業風土に親しめる資質など、性格や特性についても明確にしておかなければいけません。
自社における現在の課題や既存社員の活躍ぶりなどと照らし合わせながら、必要な人材の要素をピックアップしていきましょう。
なお、実際に成果を挙げている優秀な人材の行動特性をコンピテンシーと言い、それを自社の理想としてモデル化したものを、「コンピテンシーモデル」と言います。
コンピテンシーモデルを活用した「コンピテンシー面接」については、「コンピテンシー面接で採用の精度を向上する!実施方法や質問例を紹介」をご参照ください。
必要な人材を見分けるための質問を作成し面接官全員で共有する
必要人材の明確化に従い、その人材像に近い求職者を見分けるための質問を策定します。
何をどのように聞けば必要人材かどうかの判断ができるのか、その質問への回答で何が分かるのか、時間をかけてじっくり検討することが大切です。
適切な質問の内容は企業によって異なりますが、ご参考に、このあと質問例をいくつか紹介します。
ただし、ここでどんなに良い質問を作成できても、面接で面接官の主観が入ってしまうと正しく人材を見極められない場合があります。
面接官の主観によらない面接にしていくためには、「構造化面接」の考え方がヒントになります。
構造化面接とは
構造化面接とはもとは臨床心理学のアプローチ法でしたが、今では採用の場面にも取り入れられています。
構造化面接では質問だけでなく、求職者の回答傾向の仮説と評価軸もあらかじめ設計しておきます。本番では面接官や求職者に関係なく、同じ質問を同じ順番で行い同じように評価していくことで、客観的な評価を目指します。
構造化面接の最大のメリットは、面接官の心情やスキルにかかわらず一定基準での評価が可能となることです。「必要人材」に対する面接官の考え方の食い違いを排除でき、評価のバラつきを抑えられます。
面接を成功させるには以上のような事前準備が重要ですが、時間も手間もかかります。
それを軽減するのが「CIY®適性検査」です。
企業・候補者の双方に診断(適性検査)を受けてもらい、その結果により企業の必要な人材像と候補者のマッチ・ミスマッチを分析します。
また、診断結果から、面接で質問すべきことのアドバイスもあります。CIY®について詳しくは、資料をご覧ください。
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このあとは、人材を見抜くための質問例とその意図、質問方法について紹介します。
2. 人材を的確に見抜く質問例
業務についての遂行能力や性格などを知るための質問例とその主な意図をそれぞれ紹介します。
業務能力に関する質問例
「○○といった実績をお持ちのようですが、どのような方法で達成しましたか?」
→実際に自身が行ったものであるのか、能動的に行動したのかを確認する
「これまでに経験したなかで、最も困難な状況に対処したときのことを教えてください」
→課題解決能力を見る
「プレッシャーの中で働くときの意識や工夫はありますか?」
→ストレス耐性や視点の置き方を見る
「チームのモチベーションを保つ方法を教えてください」
→リーダーシップや利他的な姿勢を見る
「期限内に仕事を終わらせることが困難な場合、どのような行動を起こしますか?」
→責任感や状況への判断能力を見る
「○○のプロジェクトで成功されたとありますが、どのような工夫をされましたか?」
→発案力や問題解決能力を見る
「忘れられない失敗談は? そのあとどうされましたか?」
→障害に対する対応姿勢を見る
「これまでの失敗談を教えてください。そのあとで取った行動とその結果は?」
→実際の業務においての対応力を見る
なお、最後の質問例のように過去に取った実際の行動やその結果などを掘り下げて質問していく面接を行動面接と言います。
行動面接によってその人の行動特性が見えてくるため、実際の業務においてどのように活躍してくれそうかをイメージしやすいのがメリットです。
行動面接については、「コンピテンシー面接で採用の精度を向上する!実施方法や質問例を紹介」でも触れていますので、ご参照ください。
仕事への向き合い方に関する質問例
「仕事について最も重視する点は何ですか?」
→仕事に対して優先するものを確認
「ご自身の強みは何ですか? その強みを、仕事にどう生かせると思いますか?」
→自己分析能力、応募職種への理解を見る
人柄・性格に関する質問例
「これまで取り組んできたことのなかで最も自分が成長したと感じたことは何ですか?」
→どういった点に着目し、どのように行動する傾向があるのかを見る
「チームの中でこれまで多かった立ち位置は?」
→積極性、自己評価、他者からの評価を見る
「意見の食い違いで孤立したことはありますか? またそのときの結果は?」
→協調性、コミュニケーション力を見る
「友だちや家族からはどのような人だと言われますか?」
→他者から見た性格、周囲からの信頼度、人間関係構築能力、コミュニケーション力などを見る
「人生において最もストレスと感じることは何ですか?」
→志向性、ストレス耐性を見る
「同僚が仕事で大きな失敗をしました。どのように行動しますか?」
→他者と関わる姿勢を見る
なお一般的に聞かれる質問と聞いてはいけない質問の例は「面接官がそのまま使える質問集!聞いてはいけないタブー質問例も紹介」でも多数紹介しています。ぜひご参照ください。
3. 用意した質問で人材を的確に見抜くコツ
用意した質問を順にしていけばいいからと、面接が一問一答形式で終わってしまっては、求職者の本質に迫るのが難しくなります。
求職者が何かひとつのエピソードを話したら、すぐに次の質問に移るのは避けましょう。
「なぜそのようになったのですか?」
「そのときの思いはどうでしたか?」
「それでどのように行動をされましたか?」
「その行動により何がどう変わりましたか?」
「もし同じことを経験した場合、次はどのように対処できそうですか?」
……などと、掘り下げて聞いていくことが大切です。
4. 新卒採用の面接における質問事項
職務経験がない新卒採用に対しては、経済産業省が提唱する「人生100年時代の社会人基礎力」のようなものを参考に、人材イメージを固めるのも、質問事項を考えるうえで役に立ちます。
「人生100年時代の社会人基礎力」では、以下の見出しとなっている3つの能力とそのベースとなる計12の能力要素を社会人基礎力と定義しています。
前に踏み出す力 | 考え抜く力 | チームで働く力 |
・主体性 ・働きかけ力 ・実行力 |
・課題発見力 ・計画力 ・創造力 |
・発信力 ・傾聴力 ・柔軟性 ・情況把握力 ・規律性 ・ストレスコントロール力 |
新卒者採用の質問事項
新卒者採用における質問事項の例としては、以下のようなものがあります。
- 主体性・働きかけ力 「グループで何かをやるとき、リードする方ですか?」
- 計画力 「計画を立てて取り組んだことを聞かせてください。」
- チームで働く力 「チームで何かを達成した経験はありますか?」
- 前に踏み出す力 「学生時代に一番頑張ったことは?」
- ストレス耐性 「就職活動中も、よく眠れていますか?」
「ストレス耐性」については。「ストレス耐性とは?高い人・低い人の特徴と採用時に活かすポイント」をご参照ください。
5. 面接時の的確な質問で必要な人材を確保する
採用面接は、書類だけでは分からない「生の情報」を得ることのできる絶好の機会です。
一方で、設計を誤ると人材の能力や性格を見誤り、ミスマッチを起こす原因となります。
まずは自社に必要な人材像を明確にし、正しい判断を行うための質問を十分に検討することが大切です。
面接前には質問内容の精査とともに、どれを掘り下げるのかのバランスについても確認しておきましょう。
限られた面接時間を有効なものとするためには、綿密な準備が求められます。
CIY®を利用すると、企業に必要な人材像が明確化されるだけでなく、求職者の適性検査の結果から面接で質問すべき内容も明らかになります。