コンピテンシー面接で採用の精度を向上する!実施方法や質問例を紹介
コンピテンシー面接とは、求職者の行動特性が、「コンピテンシーモデル」に近いかどうかを判断していく面接のことを言います。
目次
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慎重に採用活動を進めても、人材の本質を見抜くのは容易ではありません。
申し分のない知識やスキルがある人材でも、自社が求めるような成果に結び付くとは限らないのが現実です。
そんなとき検討したいのがコンピテンシー面接です。
コンピテンシー面接は、表面的な要素に惑わされずより深く本質を探るための手法として、活用されるケースが増えてきています。
ここではコンピテンシー面接の基本的な知識と実施のメリット、具体的な質問例や評価について解説します。
1. コンピテンシー面接とは
コンピテンシー面接とはどのような面接のことを言うのでしょうか?
1-1. そもそもコンピテンシーとは何?
コンピテンシー“competency”とは英語で「能力」を意味しますが、ビジネスにおいて使われる場合は、「ハイパフォーマー(高業績者:優秀な成果を発揮する人材)の行動特性」を指すのが一般的です。
コンピテンシー面接とは、求職者の行動特性が、「コンピテンシーモデル」に近いかどうかを判断していく面接のことを言います。
1-1-1. 従来の面接では…
従来の面接は、主に学歴やスキル、経験などの目に見えるものと、応答の印象といった面接官の主観が影響するもので判断する面接でした。
そのため書類上は優秀で面接での受け答えがしっかりできていても、実際は期待ほど活躍しない、挨拶すらきちんとできないなどといったリスクがありました。
1-1-2. コンピテンシー面接では
一方コンピテンシー面接は、「どのような行動をとったか?」「なぜそのような行動をとったか?」などと質問をどんどん掘り下げていくことで、行動特性や思考パターンといったより本質的なところまで迫っていく面接です。
また、求職者が実際にとった過去の行動について追求していくため、「実際のシーンで発揮できる能力」=「成果」を見極めることも可能なのです。
スキルや知識、態度などの目に見える部分は、動機や価値観、使命感、そして行動特性といった目には見えない潜在的なものにも大きな影響を受けているとされています。
コンピテンシー面接はそうした考え方をもとに、人材のより深い部分を見極めるために行われるものです。
コンピテンシーについてより詳しく知りたい方は、「コンピテンシーとは?基本からメリットデメリット・活用法まで解説」をご覧ください。
1-2. コンピテンシー面接が求められる理由
コンピテンシー面接が求められる背景には、従来の手法の限界があります。
1-2-1. 面接官の主観を避けるため
スキルや面接での応答の仕方など表面に表れるものだけに着目する従来型面接では、面接官の第一印象や主観などによる判断がなされがちでした。
そのため、面接官の心理的バイアスに影響される可能性も高くなり、採用のミスマッチを防ぎきれないという懸念がありました。
1-2-2. 面接での演技を見極めるため
また、求職者側は採用を目指し、インターネット上にあふれる膨大な情報を活用しながら入念な面接準備を行います。
応募企業の求める人物像を意識し、面接での応答に反映させます。
そのため面接官が面接の時点で好ましい印象を受けたとしても、求職者の本質までは追いきれません。
1-2-3. 面接での判断基準を明確にするため
一方コンピテンシー面接では求職者の行動特性を「コンピテンシーモデル」に照合して評価します。コンピテンシーモデルとは、職種・役割ごとにコンピテンシーをモデル化したものです。
自社で作成したコンピテンシーモデルと照らし合わせることで、自社のコンピテンシーに合った人材かの見極めが容易になります。
また、そのように明確な指標があるため、面接官の個人的な主観が排除され、より客観的判断が可能となります。
そういった理由から、コンピテンシー面接が注目されるようになっているのです。
なお、採用のミスマッチについては、「採用のミスマッチとは?ミスマッチが起こる原因と対策を知ろう」で解説していますので、ご覧ください。
また、コンピテンシーは面接だけでなく、人事評価や人材育成でも活用できます。詳しくは、「コンピテンシー評価とは?メリットデメリットとやり方を具体例で解説」をご覧ください。
2. コンピテンシー面接を企業が行うメリット
コンピテンシー面接を企業が行うメリットには、以下のようなものがあります。
2-1. 「行動能力」の適正な判断
スキルや知識、言動など表面的なものだけに惑わされず、職務における行動能力について正しく評価できます。
実際のビジネスシーンで業務を遂行する力の裏付けとなります。
2-2. 面接官のスキルに左右されない
コンピテンシーモデルに照らし合わせることで、評価軸を明確にできます。
面接官の心情や判断能力、考え方の偏りなどに影響されづらくなります。
2-3. 自社とのマッチング度が高い人材の獲得
自社の行動指標に従ったコンピテンシーモデルの設計を行うことで、人材とのマッチングを測る精度が高められます。
企業風土に合うかどうかの判断、また実務への適性の評価が高いレベルで可能になります。
3. コンピテンシー面接の実施方法と質問例
コンピテンシー面接の具体的な実施方法と質問例を紹介します。
3-1. コンピテンシー面接の実施方法
3-1-1. コンピテンシーモデルの作成
最初に、採用対象となる職種のコンピテンシーモデルを作成します。
社内のハイパフォーマーたちの行動観察やインタビューを通して、共通するコンピテンシーを抽出するのが一般的な作成方法です。
その際、例えば「関係構築」「対人理解」「柔軟性」など、よくコンピテンシーとして抽出される項目をあらかじめ把握しておくとスムーズに進められます。
よく抽出される項目は、コンピテンシーディクショナリーが参考になります。
コンピテンシーディクショナリーについては、「コンピテンシー評価とは?メリットデメリットとやり方を具体例で解説」でご紹介していますので、ご覧ください。
ただし、コンピテンシーモデルの作成には、基準とする社内のハイパフォーマーを選定したり、その行動特性を言語化・明確化したりするのに、膨大な時間と手間がかかります。
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3-1-2. 評価項目と評価基準を定める
コンピテンシーモデルが作成できたら、評価項目と評価基準を定めます。
面接官の主観が入らないのがコンピテンシー面接の大きなメリットですから、面接官によって評価の軸がぶれないよう、評価項目と評価基準を面接官全員で正しく共有することが大切です。
「評価項目」については、コンピテンシーモデル作成の際の項目を使うと効率的です。
「評価基準」は、例えば次のように5段階程度に分ける方法がよく見られます。
- コンピテンシーモデルの水準を大幅に上回った…評価点5点
- コンピテンシーモデルの水準を上回った…評価点4点
- コンピテンシーモデルの水準を達成した…評価点3点
- コンピテンシーモデルの水準をほぼ達成した…評価点2点
- コンピテンシーモデルの水準に届かなかった…評価点1点
3-2. コンピテンシー面接の質問例
コンピテンシー面接では、過去の行動にフォーカスした質問をすることが重要です。
質問に当たっては、過去の行動を掘り下げる、「行動面接(STAR面接)」という手法が適しているでしょう。
行動面接では、「状況(Situation):過去の状況」「課題(Task):そのときの課題」「行動(Action):どのような行動をとったのか」「結果(Result):その結果について」の順に質問を進めていきます。
行動面接に基づく、コンピテンシー面接の質問例を紹介します。
「状況」の質問例
- そのときのチーム体制はどのようなものでしたか?
- チームで果たした役割について教えてください。
- 責任や権限は持っていましたか?
「課題」の質問例
- チームの目標はどのようなものでしたか?
- 何かトラブルは発生しましたか?それはどのようなトラブルでしたか?
- いつ、どの時点でどのように気づきましたか?
- トラブルの原因は?
「行動」の質問例
- どのような対策を行いましたか?
- 解決に向けてどのようなプランを立てましたか?
- 行動した順番を教えてください。
「結果」の質問例
- 対応策は成功しましたか?
- 解決プランに問題はありましたか?
- 周囲の反応とその後の変化をお聞かせください。
3-3. コンピテンシー面接の注意点
コンピテンシー面接を実施する際には、以下の点に注意する必要があります。
誘導的な質問の禁止
求職者に対する公平な評価を行い、真意を測るため、誘導的な発言を控えるよう面接官全員に周知しましょう。
事実に基づいた部分にフォーカスする
過去の行動を軸とした質問を行い、実際に行った「事実」を評価対象にしましょう。理想や入社後の抱負といった事実に基づかない発言は評価の対象にしません。
面接官のコンピテンシー面接への理解促進
コンピテンシー面接の意義を面接官全員が知っておくことが大切です。研修を実施するなどして面接官にコンピテンシー面接の意義や実施方法などを理解してもらいましょう。
4. コンピテンシー面接で人材ミスマッチを回避しよう
コンピテンシー面接は採用のミスマッチを未然に防ぎ、自社の強力な戦力を獲得するためのひとつの施策です。
面接官のスキルの偏りに左右されにくく、客観性のある採用を可能とします。
求職者の行動特性に着目することにより、成果実現への可能性を高めると同時に離職率の低下も期待できます。
一方でコンピテンシー面接による採用活動を成功させるためには、実施についての十分な理解と入念な準備が必要です。
その手間と時間を削減するため、CIY®のようなツールを利用するのも賢い選択です。
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