更新:2024.10.28|公開:2021.10.13
ストレス耐性とは?高い人・低い人の特徴と採用時に活かすポイント
ストレス耐性とはストレスを感じたときの対処能力を指し、似たような状況下にあっても、ストレス耐性の違いによってパフォーマンスに差が生じる場合があります。
ストレス耐性は、以下の6つの要素で形成されるといわれています。
「感知能力」「回避能力」「処理能力」「転換能力」「経験」「許容量」
目次
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ストレスフルな社会の中にあって、人それぞれが自分のやり方で仕事と向き合っています。
ストレスフルな時代にあっては、ストレス耐性が高い人材が欲しいと思う企業が多いでしょう。
しかし、ストレス耐性は高ければ良い、低ければ悪い、といったものではありません。
ここではストレス耐性の基本的な知識とタイプによる強みや弱みを紹介しながら、選考における判断のポイントを解説していきます。
1. ストレス耐性とは
そもそもストレス耐性とは何を指すのでしょうか。
最初にストレス耐性の概要とストレス耐性を見ることの重要性について解説します。
ストレス耐性の2つのタイプ
ストレス耐性とはストレスを感じたときの対処能力を指し、似たような状況下にあっても、ストレス耐性の違いによってパフォーマンスに差が生じる場合があります。
ストレス耐性は、以下の6つの要素で形成されるといわれています。
- 感知能力:原因となるストレス要因(ストレッサー)に気づく能力
- 回避能力:ストレスを上手に受け流すことでダメージを軽減できる能力
- 処理能力:ストレッサーをなくす行動や弱める行動ができる能力
- 転換能力:ストレスに対する考え方を良い方向に転換できる、ストレスを前向きにとらえて行動の原動力とする能力
- 経験:ストレスに対する経験値
- 許容量:ストレスへのキャパシティ
以上のうち、感知能力は低ければ低いほど、その他の能力は高ければ高いほどストレス耐性が高いとされます。
それに加え、過去の経験やストレスに対する許容量もストレス耐性に影響してきます。
なお、同じようにストレス耐性が高いと言っても、そのタイプは大きく2つに分けられます。
ストレッサーをあまり認知しない、受け流すことができる
ストレスそのものをあまり感じることがなく、ストレス要因に遭遇しても影響なくやり過ごせるタイプです。
上記の要素で言うと、感知能力が低い、あるいは回避能力が高いと考えられます。
対処行動(ストレスコーピング)ができ、ストレスをため込まない
ストレスは感知するが上手にストレスを発散させることができるため、ストレスをため込むことがなく回復できるタイプです。
処理能力や転換能力が高いと考えられます。
ストレス耐性を見ることの重要性
ストレス耐性への注目の高まりは、現代の社会的状況が背景となっています。
今は社会全体がストレスフルな時代です。
グローバル化が急速に進み、時勢は日々複雑さを増しています。
トレンド変化の速さや情報過多、個人の悩みの種となりやすい人間関係、ネットによる監視など、私たちを取り巻く世界はかつてないほどストレス要因であふれています。
年功序列制度の崩壊から能力主義への移行、慢性的な人手不足により増加する1人当たりの業務量や重みを増す責務といったビジネス現場の厳しい状況も、個人の感情を圧迫し続けます。
このように誰もがストレスから逃れることのできない環境下にあって、ストレス耐性を知ることは重要です。
ストレス耐性を含めて個々の社員の特性を把握することで、採用の判断材料のひとつにすることが可能です。
さらに、採用後の配置やモチベーション維持といった社員マネジメントに活かすことで、適材適所の実現や離職防止に貢献することも期待できます。
2. ストレス耐性が高い人材の強み・弱み
ストレス耐性が高い人材とはどのようなタイプなのでしょうか。
一般的に考えられるストレス耐性が高い人材の強みと弱みについて考えていきましょう。
ストレス耐性が高い人材の強み
マイペース:周囲からの影響を受けにくく自分のペースで仕事をこなす、焦らない
独自の評価軸を持つ:周囲の評価に振り回されない、必要以上に気にしない
良い意味での鈍感力がある:何かあった場合でも冷静を保ちやすい、物事を「スルーする」ことができる
楽観的:出来事を前向きにとらえることができる
ストレス耐性が高い人材の弱み
他人の表情やしぐさから気持ちを察する能力が低い:他人への配慮に欠ける傾向があり、他者に対しても自分と同じと考えてしまいがちで、他者の気持ちが図れない
細かいことに気づかない:必要以上に物事を気にしないため変化や異常を見過ごしがちになる
他責傾向が強い:問題が起こると反省するより環境や他者のせいだと考えがちになる
責任感が低い:課題を自分事としてとらえきれず、あきらめの早い傾向がある
3. ストレス耐性が低い人材の強み・弱み
続いて、ストレス耐性が低い人材の強みと弱みについて考えていきましょう。
ストレス耐性が低い人材の強み
他者に対して敏感:他人の表情や仕草から気持ちを察する能力が高い
観察力に優れる:繊細で細かいことによく気づくことができる
几帳面・責任感が強い:課題を自分事ととらえ、責任を果たそうとする
周囲の変化に敏感:環境の変化に気づきやすく、違和感としてとらえられる
協調性に優れる:人に合わせることができ、和を保とうとする
ストレス耐性が低い人材の弱み
打たれ弱い:些細なことで落ち込む、注意されるだけで意気消沈する
逃げる:失敗を引きずり先に活かそうとしない、失敗を恐れるため逃げ腰になる
重圧を感じやすい:責任のある役割を与えづらい傾向がある、重責に耐えられないためリーダーに向かない
人間関係の構築が苦手:気遣いからのストレスを避けるため人との関わりを嫌う場合がある
以上ストレス耐性が高い人、低い人の一般的な傾向を紹介しました。
ただし、ここで挙げた強み・弱みはあくまでも一般的な傾向であって、いつでも誰にでも当てはまるということではありません。
実際の採用や人事の場では、その個人個人の特性を丁寧に見て判断する必要があります。
4. 求職者のストレス耐性を知って活用する際のポイント
ストレス耐性が高い人、低い人の特徴を見てきましたが、では採用に際し、ストレス耐性をどのように活用していけばよいのでしょうか?
最も大切なことは、ストレス耐性について「高い・低いで判断しない」ということです。
ストレス耐性は、個人の特性であって、それが高い人材の方が業務において優秀というわけではありません。
例えばストレス耐性の強い人材ばかりを集めた場合、協調性に欠け業務が円滑に進まなかったり、課題を見過ごしてしまい大きな問題へと発展したりする可能性があります。
では低ければいいのかというとそれも誤りで、ストレス耐性の低い人材ばかりを集めた場合、何かの失敗をいつまでも引きずって、なかなかそこから先へ進めないといったことがあり得ます。
今の自社の課題や既存社員とのバランスなどを考え、ストレス耐性を含めた自社に今必要な人材の特性を明確にしたうえで、求職者の選定に臨むことが重要なのです。
なお、ストレス耐性は一生変わらないものではなく、置かれた環境や経験値によって変化する可能性のあるものです
業務を通して自信を持たせる、適切なアドバイスを行って気づきを与えるといった働きかけにより、短所を長所へと転換していくことも可能です。
ストレス耐性を採用の場で知っておくことは、採用後の管理・育成にも役立ち、離職防止にもつなげられます。
5. ストレス耐性を理解し採用に活かす
ストレスに強い・弱いは各人の個性です。
いずれにも強み・弱みの両面があり、どちらが良いとは一概に言えません。
重要なのは、自社がどのような人材を求めているかということです。
自社にとってどういったタイプが必要なのか、それはなぜなのかを明確にしておきましょう。
適性検査や面接の場を有効に使い、ほかの要素と同様ストレス耐性についても、しっかりつかんでいくことが大切です。
CIY®(シーアイワイ)の企業&求職者診断を活用すれば、ストレス耐性も含めて自社が必要とする人材の特性を見極める精度を向上することができます。
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