1on1アジェンダの作り方|10/15/30分の時間別テンプレート集

「1on1を始めたが、毎回行き当たりばったりで時間だけが過ぎてしまう」
——そんな悩みの多くは、アジェンダ(議題と時間配分)が決まっていないことに原因があります。
本記事では、1on1のアジェンダの作り方を、状況確認・深掘り・ネクストアクションの3ブロックという基本構成から解説し、10分・15分・30分の時間別にそのまま使えるテンプレートを掲載します。
さらに、CIY®編集部が1on1運用企業の事例を参照し、部下のタイプに合わせた配分の調整法と、形骸化させない運用のコツまでまとめました。
次回の1on1からそのまま使える進行シートとして活用してください。
この記事でわかること
- 1on1のアジェンダが必要な理由と、ない場合に起きること
- 状況確認・深掘り・ネクストアクションの3ブロック構成
- 10分・15分・30分の時間別アジェンダテンプレート
- 部下のタイプに合わせて時間配分を調整する考え方
- アジェンダを形骸化させない運用のコツとNG例
目次
なぜ1on1にアジェンダが必要なのか
アジェンダのない1on1は、近況報告と業務確認だけで終わりがちです。
上司は「何を聞けばいいか」、部下は「何を話せばいいか」が定まらないまま、限られた時間が消えていきます。
アジェンダとは、その回の1on1で「何を・どの順番で・何分話すか」を事前に決めた設計図です。
これがあるだけで、対話の密度は大きく変わります。
1on1は短い時間に多くのテーマが詰まりやすい場です。
厚生労働省の令和5年「労働安全衛生調査(実態調査)」では、仕事や職業生活で強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄として、仕事の量が39.7%、仕事の質が35.3%、対人関係が29.6%と報告されています。
これらの異なる悩みを限られた時間で扱うには、テーマと時間配分をあらかじめ決めておくことが欠かせません。
目的設定や頻度、効果測定まで体系的に整えたい方は、1on1のやり方完全マニュアルもあわせてご覧ください。
1on1アジェンダの基本構成|3ブロックで組む
時間の長短にかかわらず、1on1のアジェンダは「状況確認」「深掘り」「ネクストアクション」の3ブロックで組むのが基本です。
この型に固定すると、何分の面談でも「何を確認し、どこを掘り、何を残すか」が明確になります。
ブロック1:状況確認(オープニング)
軽い雑談(アイスブレイク)と近況・業務の確認を行うブロックです。
ここで部下の表情や声のトーンから、その日のコンディションをつかみます。
長く話しすぎると本題の時間が削られるため、全体の2〜3割を目安にします。
ブロック2:深掘り(メイン)
その回の中心テーマを1つに絞り、じっくり対話するブロックです。
業務課題、目標・成長、キャリア、人間関係など、テーマは回ごとに変えてかまいません。
テーマを1回1つに絞ることが、深掘りを成立させる最大のコツです。全体の5〜6割を充てます。
ブロック3:ネクストアクション(クロージング)
対話で出た内容を、次回までの具体的な行動に落とすブロックです。「誰が・何を・いつまでに」を双方で確認します。
上司側の宿題も明確にすると、部下は「言って終わりにならない」と感じ、次回への信頼につながります。
そして3ブロックを機能させる前提が、アジェンダの事前共有です。
前日までに「次回はこのテーマで話したい」と部下に伝えておくと、部下が考える時間を持てて対話の質が上がります。
各ブロックで使う具体的な問いは、1on1質問テンプレート50選から選ぶと準備が早まります。
【時間別】そのまま使えるアジェンダテンプレート集
3ブロックの考え方を、実際の時間に落とし込みます。時間が短いほどテーマを絞り、長いほど深掘りに厚みを持たせるのが配分の原則です。
下表はそのまま進行シートとして使えます。
10分アジェンダ|頻度高めの軽量版
| 時間 | ブロック | 話す内容 |
|---|---|---|
| 0〜2分 | 状況確認 | 近況とコンディションの確認 |
| 2〜7分 | 深掘り | 今いちばん気になっていること1点 |
| 7〜10分 | ネクストアクション | 次の一手と上司の支援を確認 |
10分版はテーマを1点に絞り、週次など高頻度で回す前提のフォーマットです。
15分アジェンダ|標準的なバランス版
| 時間 | ブロック | 話す内容 |
|---|---|---|
| 0〜3分 | 状況確認 | アイスブレイクと業務の進捗確認 |
| 3〜11分 | 深掘り | メインテーマ1つを掘り下げる |
| 11〜15分 | ネクストアクション | 行動の合意と次回テーマの予告 |
15分版は隔週で運用しやすく、深掘りに約8分を確保できるため、1テーマを十分に扱えます。最もつぶしの利く標準フォーマットです。
30分アジェンダ|じっくり対話する深掘り版
| 時間 | ブロック | 話す内容 |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 状況確認 | 雑談・コンディション・前回宿題の振り返り |
| 5〜13分 | 深掘り① | 業務・目標などの実務テーマ |
| 13〜23分 | 深掘り② | キャリア・成長など中長期テーマ |
| 23〜30分 | ネクストアクション | 行動合意と上司の宿題の確認 |
30分版はテーマを2つまで扱えるのが特徴です。欲張って3つ以上を詰め込むと、どれも中途半端になるため、多くても2テーマにとどめます。
部下のタイプに合わせたアジェンダ調整のコツ
同じ時間配分でも、部下の特性によって最適な組み方は変わります。
テンプレートを土台にしつつ、配分とテーマの選び方を部下に合わせて微調整すると効果が高まります。
ここではCIY®適性検査で用いる特性軸を例に、調整の考え方を紹介します。
どの特性が良い・悪いということはなく、傾向に合わせて関わり方を変えるのがねらいです。
| 部下の特性傾向 | アジェンダ調整のポイント |
|---|---|
| じっくり考えてから話す(内省的) | テーマを前日までに必ず共有し、深掘りの時間を長めに取る |
| 話しながら考える(外交的) | 状況確認を厚めにして発散を促し、後半で論点を絞る |
| 計画・段取りを重視する | ネクストアクションの時間を多めに確保し、手順まで具体化する |
| データ・根拠で判断する(合理的) | 深掘りで事実や数字を起点にした議題を用意する |
| 気持ち・価値観を重視する(感性的) | 状況確認で感情面に触れ、安心してから本題に入る |
| ストレスに敏感で慎重 | 1回のテーマを1つに絞り、詰め込みすぎない配分にする |
このように、部下一人ひとりの特性を起点にアジェンダの重心を変えると、同じ時間でも引き出せるものが変わります。
アジェンダ運用でやりがちな失敗と対処
アジェンダは作るだけでなく、運用の仕方で成否が分かれます。
次の3つは、せっかくのアジェンダを台無しにする代表的な失敗です。
失敗1:上司の報告会になる
状況確認が上司からの一方的な指示や進捗チェックで埋まると、1on1は管理面談に変わってしまいます。
状況確認はあくまで部下が主役。問いかけ中心に進め、深掘りに早めにバトンを渡しましょう。
失敗2:テーマを詰め込みすぎる
限られた時間に複数のテーマを並べると、どれも表面的な確認で終わります。
30分でも扱うのは2テーマまで。優先度の低い話題は次回のアジェンダに回す勇気を持ちます。
失敗3:アジェンダに固執しすぎる
逆に、部下が重要なことを話し始めたのに「予定外だから」と切り上げるのも失敗です。
アジェンダは話の流れを止める枠ではなく、迷子にならないための地図です。
重要な話が出たら、その場で配分を組み替えてかまいません。
アジェンダ形骸化の根本対策は1on1の形骸化を防ぐ7つの方法で掘り下げています。
アジェンダ作成を「仕組み」にする|AIによる提案
ここまで見てきたように、効果的なアジェンダには「時間別の型」と「部下のタイプに合わせた調整」の両方が必要です。
ただし、メンバー全員分の特性を踏まえ、毎回テーマと配分を設計するのは、マネージャーにとって大きな負担になります。
優れた上司の準備を、再現性のある仕組みに変えることが、属人化を防ぐ鍵です。
本記事で解説した「3ブロック×時間別」のアジェンダ設計を、AIで支援できるツールがあります。
CIY®才能カルテは、社員一人ひとりの適性検査結果から、その部下に合った1on1のテーマと質問を10分・15分・30分のコース別に提案します。マネージャーの準備時間を抑えながら、部下に合わせた進行を再現できるのが特徴です。
30日間無料ですべての機能をお試しいただけます。
まとめ
行き当たりばったりの1on1は、アジェンダで設計図を持つだけで密度が変わります。
本記事のポイントは3つです。
第一に、アジェンダは「状況確認・深掘り・ネクストアクション」の3ブロックで組み、前日までに部下と共有すること。
第二に、10分・15分・30分の時間別テンプレートを土台に、短いほどテーマを絞り長いほど深掘りに厚みを持たせること。
第三に、上司の報告会化・テーマの詰め込み・アジェンダへの固執という3つの失敗を避けることです。
まずは次回の1on1で、本記事の時間別テンプレートから自分の運用に近い1つを選び、テーマを1つに絞って試してみてください。そのうえで部下ごとの特性に合わせたアジェンダ設計を仕組み化したい場合は、AIによる自動提案の活用も選択肢になります。
CIY®才能カルテで実践する
部下ごとに「最適なアジェンダ」をAIが提案。適性検査の結果から、一人ひとりに合った1on1のテーマと質問を時間別に自動生成し、マネージャーの準備を再現性のある仕組みに変えます。




