更新:2024.10.28|公開:2021.05.08
離職理由をランキングで解説!近年の傾向を踏まえた5つの対策も紹介
離職理由について調べている方へ核心からお伝えすると、自己都合による離職理由ランキングはこちらです。
自己都合による離職理由ランキング
順位 | 離職理由 | 割合 |
1位 | 労働条件(賃金以外)がよくなかったから | 27.3% |
2位 | 満足のいく仕事内容でなかったから | 26.7% |
3位 | 賃金が低かったから | 25.1% |
4位 | 会社の将来に不安を感じたから | 24.2% |
5位 | 人間関係がうまくいかなかったから | 17.7% |
6位 | 能力・実績が正当に評価されないから | 15.9% |
7位 | 他によい仕事があったから | 15.1% |
8位 | いろいろな会社で経験を積みたいから | 12.2% |
9位 | 雇用が不安定だったため | 11.0% |
10位 | 結婚・出産・育児のため | 6.8% |
11位 | 病気・怪我のため | 4.8% |
12位 | 家族の転職・転居のため | 4.1% |
13位 | 介護・看護のため | 2.3% |
– | その他 | 15.9% |
出典:厚生労働省「平成27年転職者実態調査の概況」 ※3つまでの複数回答
目次
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この記事のポイント
離職理由について把握することは、自社の従業員の離職を防ぐうえで欠かせません。近年では離職理由にも変化が起きており、最新動向を含めてチェックしておく必要があります。
そこで本記事では、従業員の定着を図るうえで重要な「離職理由」について、統計データをもとに詳しく解説します。
本記事のポイント
- ランキングデータをもとに離職理由の詳細が把握できる
- 近年の離職理由の動向とポイントを解説
- 離職を防ぐために今すぐ実践できる具体的な対策を紹介
「最近の離職理由について情報をキャッチアップしたい」
「従業員の離職を防ぎたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「どんな理由で離職する人が多いのか」はもちろん、これからの企業が「どう組織づくりに取り組めば離職を防げるのか」を把握できます。
結果として、自社の従業員の離職を防げるようになるはずです。ではさっそく離職理由についての解説を始めましょう。
1. 離職理由ランキング TOP13
まずは厚生労働省の「平成27年転職者実態調査の概況」より、統計データを見てみましょう。
全体の離職理由のうち【75.5%】と大部分を占めるのが「自己都合」による離職理由です。
▼ 離職理由
離職理由 | 割合 |
自己都合 | 75.5% |
契約期間の満了 | 6.6% |
定年 | 1.9% |
出向(移籍出向) | 1.8% |
倒産・整理解雇・人員整理による勧奨退職 | 5.3% |
早期退職優遇制度等 | 1.1% |
その他 | 5.7% |
不明 | 2.3% |
さらに、離職理由が「自己都合」の内訳を見てみると、第1位〜第13位まで以下のとおりとなっています(冒頭でもご紹介したランキングです)。
▼ 自己都合による離職理由ランキング(3つまでの複数回答)
順位 | 離職理由 | 割合 |
1位 | 労働条件(賃金以外)がよくなかったから | 27.3% |
2位 | 満足のいく仕事内容でなかったから | 26.7% |
3位 | 賃金が低かったから | 25.1% |
4位 | 会社の将来に不安を感じたから | 24.2% |
5位 | 人間関係がうまくいかなかったから | 17.7% |
6位 | 能力・実績が正当に評価されないから | 15.9% |
7位 | 他によい仕事があったから | 15.1% |
8位 | いろいろな会社で経験を積みたいから | 12.2% |
9位 | 雇用が不安定だったため | 11.0% |
10位 | 結婚・出産・育児のため | 6.8% |
11位 | 病気・怪我のため | 4.8% |
12位 | 家族の転職・転居のため | 4.1% |
13位 | 介護・看護のため | 2.3% |
– | その他 | 15.9% |
ここでは、自己都合による離職理由のランキングを、ひとつずつ見ていくことにしましょう。
なお、離職理由を踏まえて具体的にどんな対策を取るべきかは、13個の離職理由を解説した後「3. 社員が離職する理由をなくす5つの対策」にて詳しくご紹介します。続けてご覧ください。
第1位:労働条件(賃金以外)がよくなかったから
離職理由ランキングの第1位は「労働条件(賃金以外)がよくなかったから(27.3%)」です。
「賃金が安い」という理由は別にあり第3位にランクインしていますので、これは“賃金以外”の労働条件を指しています。
例えば、労働時間、休憩時間、休日・休暇などが代表的な労働時間です。
▼ 具体的な例
- 残業が多すぎるのがイヤで退職した
- 休日出勤がない職場に転職したい
- 長時間労働が慢性化していることに不満を感じた
特に近年では、国の政策である「働き方改革(働く人が多様で柔軟な働き方を選択できるようにするための改革)」により、長時間労働の是正やテレワーク・副業・兼業などの柔軟な働き方が推進される現状があります。
今後も、働く人が「より良い労働条件」を求める意識は高まっていくと考えられます。
第2位:満足のいく仕事内容でなかったから
離職理由ランキングの第2位は「満足のいく仕事内容でなかったから(26.7%)」です。
仕事内容が自分に合わないと感じる場合、苦手な仕事に従事している場合などは、仕事内容に対して満足しにくくなります。
▼ 具体的な例
- 仕事内容が自分に合っていない
- 自分がやりたい仕事ではない
- 自分のスキルを十分に発揮できない
満足のいく仕事内容ではない場合、職種や業界が合っていないケースと、会社で与えられた仕事内容に不満があるケースの2パターンが考えられます。
前者の職種や業界が合っていないケースでは、職種や業界を変更するキャリアチェンジの転職を、後者の会社で与えられた仕事内容に不満があるケースでは、職種や業界はそのままに会社を変える転職が行われます。
前者のケースでは企業側が離職をくい止めるのは難しいですが、後者のケース(会社に与えられた仕事内容に不満)では企業側の適切な対応によって、離職をくい止められる可能性があります。
第3位:賃金が低かったから
離職理由ランキングの第3位は「賃金が低かったから(25.1%)」です。
第1位・第2位の労働条件や仕事内容に多少の不満があったとしても、“不満分の帳消しにできる分の給料を得ていれば我慢も効く”というのが、多くの人の本音ではないでしょうか。
しかし、賃金にも不満があれば、それは離職の引き金となります。
▼ 具体的な例
- やっている仕事内容に報酬が見合っていないのが不満
- がんばっても給料が挙がらなかったため年収アップのために転職した
- 同業他社の知人に比べて自分の給料が低い
報酬は働く人にとって大変重要なものです。賃金が低いと感じれば、離職理由に直結します。
ここで押さえておきたいのは、「賃金が低いと感じるかどうかは、必ずしも絶対的な感覚ではない」という点です。
労働はギブ・アンド・テイクで成り立っているので、従業員が会社に提供する労働力や成果(ギブ)と、それに対して得られる報酬(テイク)が見合っていないと感じれば、「賃金が低い」という評価になります。
「(一般的な基準に照らし合わせて)適正な水準の賃金となっているか」が大切なのは当然として、「従業員が納得できる金額の賃金になっているか」という視点も大切です。
第4位:会社の将来に不安を感じたから
離職理由ランキングの第4位は「会社の将来に不安を感じたから(24.2%)」です。
倒産リスクのある会社や業績下降が続く会社では、従業員の流出が起きやすくなります。
▼ 具体的な例
- 会社の業績が悪化しており将来が不安になった
- 給与の振り込みが遅れることがあり危険を察知して転職した
- 会社が買収されて今後どうなるのか不透明になり辞めた
「会社の経営が危ない」という状況になれば、不安を感じた従業員が離職しようとするのは、当然ともいえます。
注意したいのは、実際には危ない状況ではないにも関わらず、社内に良からぬ噂が広がり、実体のない不安が会社を覆うような状況です。
そこで一人が離職すると芋づる式に離職の連鎖が起きて人材不足になり、本当に危険な状況に陥るリスクがあります。
経営陣と従業員のコミュニケーションに問題があるケースが多く、常日頃から適切なコミュニケーションで経営陣が十分な信頼を得ていることが大切です。
第5位:人間関係がうまくいかなかったから
離職理由ランキングの第5位は「人間関係がうまくいかなかったから(17.7%)」です。
“人間関係”はどんな職場でも付いてまわる問題といえ、離職理由で上位の5位にランクインしています。
▼ 具体的な例
- 古参の社員と反りが合わず嫌われてしまい、居づらくなって辞めた
- 職場の人間関係が悪くギスギスとした雰囲気がいやだった
- 上司が苦手なタイプで関係が悪化して転職した
人間関係が良くない職場では、従業員のメンタル面に悪影響を与えてしまいます。強いストレスが引き金となり、調子を崩す人も少なくありません。
人間関係を現場の従業員まかせにするのではなく、組織として従業員を人間関係に悩ませない仕組みをどう作るかが、課題といえるでしょう。
第6位:能力・実績が正当に評価されないから
離職理由ランキングの第6位は「能力・実績が正当に評価されないから(15.9%)」です。
「がんばっているのに評価してもらえない」という不満は、従業員のモチベーションを低下させ、やがては離職へとつながっていきます。
▼ 具体的な例
- 残業して“やっているフリ”をしている人が高評価でバカバカしくなった
- 長年勤めているのにまったく昇進がない
- 一部の社長のお気に入り社員以外は評価されず不当
正当に評価されないという不満は、ほかの社員への評価と自分を比較したときに大きくなります。
「Aさんは私より仕事ができないのに良いポジションをもらっている」
「Bさんは上司に取り入って気に入られているから昇進した」
…といった具合です。
「正当に評価されない」という不満を解消するためには、評価者(経営者や上司)の感覚ではなく、客観的な指標を持った人事評価制度を導入する必要があります。
第7位:他によい仕事があったから
離職理由ランキングの第7位は「他によい仕事があったから(15.1%)」です。
終身雇用が前提だった過去の時代とは異なり、良い仕事がほかにあればフットワーク軽く離職する人が増えています。
▼ 具体的な例
- やりたい仕事で内定をもらえた
- 転職すれば年収がアップできることがわかって退職した
- キャリアアップできる職種に転職が決まったので離職した
企業としては、せっかく人材を採用して育成しても、「さあ、これから戦力に」というタイミングで離職してしまうため、ダメージが大きくなります。
こういった離職を防ぐためには、従業員がほかの企業の仕事と自社の仕事を比較したとしても、「自社のほうが良い(だからこのまま在籍したい)」と思ってもらえる、“会社の魅力づくり”に取り組む必要があります。
第8位:いろいろな会社で経験を積みたいから
離職理由ランキングの第8位は「いろいろな会社で経験を積みたいから(12.2%)」です。
かつては「できるだけ一社に長く勤務したほうが良い」という考え方が一般的でした。
しかし近年では「一社にこだわらずに、さまざまな会社を渡り歩いて自分の経験値を上げたい」という考えの人も多くなっています。
例えばアメリカでは、勤続5年未満でキャリアアップ目的に転職する人が多く、日本でも似た価値観を持つ人が増えているのです。
▼ 具体的な例
- 3〜4年ごとに複数の会社を渡り歩きながら常にキャリアアップを繰り返している
- 将来的に起業したいので、若いうちに多くの会社で経験を積んでおきたい
- ひとつの会社に洗脳されて自分の考え方が硬直化するのは嫌だ
「いろいろな会社で経験を積みたい」という従業員が社内にいる場合、それはその人の価値観に当たるため、離職をくい止めるのは難しいといえます。
それよりも「いろいろな会社で経験を積みたい」と考える人が、入社したいと感じる組織風土づくりに励んだほうが有益でしょう。
第9位:雇用が不安定だったため
離職理由ランキングの第9位は「雇用が不安定だったため(11.0%)」です。
雇用の安定性は従業員の生活の安定に直結するため、強い離職理由となります。
▼ 具体的な例
- 3カ月毎の契約を繰り返している契約社員で、いつ切られるのかとビクビクしている
- 契約社員から正社員に登用してもらえるという話だったのに進展がない
- 家族を持つタイミングで安定的な雇用をしてもらえる会社に転職した
非正規雇用の社員の待遇改善については、前述の「働き方改革」においても取り組みが求められており、企業にとってはいま一度、見直しや改善が必要なポイントとなります。
詳しくは厚生労働省のWebページ「正社員転換・待遇改善に向けた取組 」をご覧ください。
第10位:結婚・出産・育児のため
離職理由ランキングの第10位は「結婚・出産・育児のため(6.8%)」です。
大きなライフスタイルの変化を迎える結婚・出産・育児のタイミングは、離職が起きやすくなります。
▼ 具体的な例
- 子育てしながら働きやすいように時短制度のある会社に転職した
- できるだけ家にいる時間を増やしたいのでテレワーク制度のある会社に転職した
- 結婚して引っ越すことになったので離職した
- 結婚したので今後の出産・育児を見据えて福利厚生のしっかりした会社に転職した
結婚に伴い引っ越しする場合の離職はくい止められませんが、それ以外の「子育てしながら柔軟で多様な働き方ができるか」に関わる部分は、ぜひ自社の環境を整備したいところです。
既存社員の離職を防ぐのはもちろん、外部からの「子育てしながら働きたいから、あの会社に働きたい」という転職希望者を増やせるのが理想といえます。
第11位:病気・怪我のため
離職理由ランキングの第11位は「病気・怪我のため(4.8%)」です。
病気やけがは個人のプライベートな事情の面が大きく、企業において離職をくい止めるのは難しい離職理由です。
▼ 具体的な例
- 病気療養のために実家に帰ることにした
- けがの後遺症により今まで通りの勤務が難しくなった
- 職場のストレスで心身の健康を損ない働けなくなった
ただし、「病気・怪我のため」の離職理由のなかには、明確な労災認定はされていなくても職場での負荷やストレスなどが関連しているケースが含まれています。
例えば、長時間労働を続けて体調を崩した・上司の叱責に耐え続けてメンタル面に支障が出たなどです。
企業としては、従業員が心も体も健康に働き続けられる環境づくりが不可欠といえます。
第12位:家族の転職・転居のため
離職理由ランキングの第12位は「家族の転職・転居のため(4.1%)」です。
家族の転職・転居についても、個人のプライベートな事情による離職といえます。
▼ 具体的な例
- 配偶者が転職して勤務地が東京から大阪に変更に変わった
- 配偶者の海外赴任が決まり、一緒についていくことになった
- 家族の事情で遠方に引っ越すことになった
家族の事情で離職するのはやむを得ないといえますが、企業として対策できるとすればテレワークの導入が挙げられます。
完全テレワークを導入している企業では、いつでもどこでも勤務ができるため、従業員の居住地にかかわらず継続勤務が可能になっています。
第13位:介護・看護のため
離職理由ランキングの第13位は「介護・看護のため(2.3%)」です。
親や家族が要介護状態になった・病気になったとき離職するのが、このケースです。
▼ 具体的な例
- 高齢の母親の在宅介護が必要になりフルタイム勤務が難しい
- 介護による自分の疲労が強く仕事との両立が難しい
- 家族の看護に専念するための時間を確保したい
平成27年(2015年)時点の調査では「介護・看護のため」の割合は2.3%と低いですが、今後は上昇が予測されます。少子高齢化によって、介護問題に直面する人が増えると考えられるためです。
企業としては、介護・看護が必要になっても働き続けられる環境の整備が急務といえるでしょう。
2. 近年の離職理由の傾向 2つのポイント
次に、近年の離職理由の傾向に見られるポイントを2つ、ご紹介します。
近年の離職理由の傾向 2つのポイント
- より良い条件の仕事を探すために転職する人が増加
- 多様で柔軟な働き方がスタンダードに
2-1. より良い条件の仕事を探すために転職する人が増加
ここで、前章でご紹介した統計データとはまた別のデータをひとつ、ご紹介します。
総務省が2020年に発表した資料では「より良い条件の仕事を探すため」という理由で転職する人が、2012年から現在まで増加し続けていることが示唆されています。
2-1-1. 前職の離職理由別 転職者数
ここからわかることは、優秀な人材は「より良い条件で働ける企業」へと流出し続け、競合他社に比較して良い条件を提示できない企業では人材不足が深刻化するであろうことです。
売り手市場(求職者にとって有利・企業にとって不利)が続く労働市場において、企業は“転職者にとって魅力的な職場づくり”に励む重要性が増しています。
2-2. 多様で柔軟な働き方がスタンダードに
次にキーワードとなるのが「多様で柔軟な働き方」です。
ここまでにも何度か登場している「働き方改革」が、そのカギとなっています。
働き方改革とは2016年に第3次安倍内閣が提唱した政策のひとつで、“働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革”(出典:厚生労働省 働き方改革特設サイト)のことです。
2019年には働き方改革関連法が成立しており、2020年代はまさに国を挙げて「多様で柔軟な働き方」が推進されている時代といえます。
前述のとおり「より良い条件の仕事を探すため」に転職する人が増えるなか、多様で柔軟な働き方ができる環境を企業が整えることは、必要不可欠です。
なぜなら、これからは多様で柔軟な働き方がスタンダードとなっていくと考えられるためです。スタンダードを満たすことができなければ、転職者にとって「より良い条件の仕事」とは評価されず、逆に人材の流出リスクがあります。
3. 社員が離職する理由をなくす5つの対策
ここまでにご紹介してきた離職理由や近年の傾向を踏まえつつ、社員が離職する理由をなくすためにはどうすれば良いのか、具体的な5つの対策をご紹介します。
- 長時間労働の改善や有給休暇の取得を進める
- テレワークやフレックスタイム制を導入する
- 入社前のミスマッチを防ぐ
- 早期離職を減らす仕組みを導入する
- 適正な人事評価制度を導入する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 長時間労働の改善や有給休暇の取得を進める
1つめの対策は「長時間労働の改善や有給休暇の取得を進める」です。
特に、バブル世代・就職氷河期世代である40代〜50代が経営トップの企業の一部では、労働環境に対する意識改革が遅れがちです。
2020年代の現在においても、「労働時間が長すぎる」「休みが取れない」といった労働環境が常態化している場合、時代に取り残されているともいえます。
第一に取り組むべきことは、社内の労働環境において法律違反が発生していないか真摯にチェックし、改めるべきところは早急に改めることです。最低限、それをやらずして離職を防ぐことはできません。
アクションプラン
- 社内の労働環境に問題がないかチェックして改善する(特に長時間労働や休暇の取得)
チェックを行う際には、厚生労働省の「確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト」に必要な情報がまとまっていますので、ぜひ参考にしましょう。
特に要チェックのページは、以下のとおりです
・しっかり学ぼう!働くときの基礎知識
・働き方改革関連法セルフチェック
3-2. テレワークやフレックスタイム制を導入する
2つめの対策は「テレワークやフレックスタイム制を導入する」です。
“多様で柔軟な働き方”が離職を防ぐキーワードとなることは先に述べたとおりですが、多様で柔軟な働き方の具体的な実践として、多くの企業にとって取り組みやすいのが「テレワークとフレックスタイム制」です。
▼ テレワーク・フレックスタイムの意味
テレワーク | 自宅・外出先・サテライトオフィスなど本拠地のオフィス以外の場所で勤務できる制度 |
フレックスタイム制 | 従業員が自分で毎日の始業時間・就業時間・労働時間を決めて働くことができる制度 |
テレワークもフレックスタイム制も、多様で柔軟な働き方の実践例として、政府の働き方改革で推進されています。
アクションプラン
- テレワーク・フレックスタイム制を導入する
3-3. 入社前のミスマッチを防ぐ
3つめの対策は「入社前のミスマッチを防ぐ」です。
離職理由の第2位となっている「満足のいく仕事内容でなかったから」を防ぐために最も効果的な対策は、入社前のミスマッチを防ぐことです。
あらかじめ仕事内容に十分に納得してから入社することで、後になって「満足のいく仕事内容ではない」という不満が出るのを予防できます。
ミスマッチを防ぐためには、現在の採用プロセスを分析して問題点を発見し、適切な改善を施す必要があります。
アクションプラン
- 現行の採用プロセスを分析して問題点を発見する
- 問題点を改善し採用プロセスをブラッシュアップする
自社で分析が難しい場合や、分析してみても問題点が発見できない場合には、採用のミスマッチを防ぐツールを導入するのも、効果的な一手となります。
例えば、理想の人材との出会いから入社までをサポートして採用のミスマッチを防ぐツールに『CIY®』があります。
3-3-1. 採用ミスマッチしにくい候補者を集めるCIY®
CIY®では、AI診断などデジタル技術を活用し、データに基づいた客観的で信頼性の高いマッチングが可能になります。
これまで主観や直感による採用で失敗したことのある企業では、一度試して見る価値があるでしょう。CIY®について詳しくは以下のリンクからご確認ください。
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3-4. 早期離職を減らす仕組みを導入する
4つめの対策は「早期離職を減らす仕組みを導入する」です。
「人間関係がうまくいかない」といった理由での離職を防ぐためには、社員が良い人間関係を構築できるよう、仕組みでサポートすることが大切です。
具体的な取り組み例としては、1on1・メンター制度・社員交流などがあります。
3-4-1. 早期離職を減らす取り組みの一例
1on1 ミーティング | 上司と部下が定期的に1対1で行うミーティング。シリコンバレー式のマネジメントとして注目された手法で、目的は社員をサポート(支援)することにあり評価やフィードバッグの場ではない。社員個人に焦点を当て、対話を重ねることで信頼関係を築き、成長のサポートをする。 |
メンター制度 | 上司以外の先輩社員が「メンター」として担当につき、業務や業務以外の会社で生活するうえでの悩みや困りごとなどの相談に乗ってサポートする制度。上司との「縦の関係」に対して「斜めの関係」ともいわれ、社員の精神的な支えになる。 |
社員交流 | 社内イベント・社内サークルなどを通して社員同士のコミュニケーションを活発化し、組織の一体感やモチベーションの向上を図る取り組み。 |
自社に合う制度を検討したうえで導入し、社内の雰囲気や人間関係を、意図的に改善していきましょう。
アクションプラン
- 定期的な面談(1on1)・メンター制度・社員交流 他、自社に合う仕組みを検討し導入する
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3-5. 適正な人事評価制度を導入する
5つめの対策は「適正な人事評価制度を導入する」です。
「能力・実績が正当に評価されない」という不満に応えるためには、従業員が納得できる人事制度の導入が不可欠です。
現行の人事評価制度を見直して課題を洗い出し、課題を解決できる新たな人事評価制度を導入しましょう。
アクションプラン
- 現行の人事評価制度が機能しているのか現状分析して課題を洗い出す
- 課題を解決する新たな人事評価制度を導入する
人事評価制度は時代によっても変遷するため、最新の情報を取り入れながら定期的な見直しが必要です。
例えば近年では、目標管理制度やコンピテンシーによる評価育成が継続的に行われており、人事考課結果の公開や360度評価が増加傾向にあります。
3-5-1. 評価・評価者訓練の実施に係る動向
自社の状況と社会全体の動向のバランスを取りながら、最適な人事評価制度を構築していきましょう。
なお、コンピテンシーによる評価については以下の記事で詳しく解説しています。
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・コンピテンシーとは?基本からメリットデメリット・活用法まで解説
・コンピテンシー評価とは?メリットデメリットとやり方を具体例で解説
4. まとめ
自己都合による離職理由のランキングは以下のとおりです。
▼ 自己都合による離職理由ランキング(3つまでの複数回答)
1位:労働条件(賃金以外)がよくなかったから・・・27.3%
2位:満足のいく仕事内容でなかったから・・・26.7%
3位:賃金が低かったから・・・25.1%
4位:会社の将来に不安を感じたから・・・24.2%
5位:人間関係がうまくいかなかったから・・・17.7%
6位:能力・実績が正当に評価されないから:15.9%
7位:他によい仕事があったから・・・15.1%
8位:いろいろな会社で経験を積みたいから・・・12.2%
9位:雇用が不安定だったため・・・11.0%
10位:結婚・出産・育児のため・・・6.8%
11位:病気・怪我のため・・・4.8%
12位:家族の転職・転居のため・・・4.1%
13位:介護・看護のため・・・2.3%
その他:15.9%
近年の離職理由の傾向 として、以下のポイントが挙げられます。
- より良い条件の仕事を探すために転職する人が増加
- 多様で柔軟な働き方がスタンダードに
社員が離職する理由をなくす5つの対策は次のとおりです。
- 長時間労働の改善や有給休暇の取得を進める
- テレワークやフレックスタイム制を導入する
- 入社前のミスマッチを防ぐ
- 早期離職を減らす仕組みを導入する
- 適正な人事評価制度を導入する
離職理由を踏まえると、離職を防ぐためにすべきことが見えてくるはずです。
なお離職率が高いという課題を抱えている場合には、以下の記事もおすすめです。続けてご覧ください。
離職率が高い基準・業界ランキングと離職率を下げる取り組みを解説