コンピテンシーとは?基本からメリットデメリット・活用法まで解説

更新:2022.08.26|公開:2021.05.08

コンピテンシーとは?基本からメリットデメリット・活用法まで解説

コンピテンシーとは、期待される成果を挙げ続けている高業績者(ハイパフォーマー)に共通して観察される行動特性のことです。

目次

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この記事のポイント

企業においては「自社の“仕事ができる人たち”に共通する行動特性(=コンピテンシー)」を明らかにすることで、採用・人事評価・人材育成などの精度向上の効果があります。

コンピテンシーのルーツは、「学歴や知能が高い人が、必ずしも高い業績を挙げるとは限らない」という点に着目した研究にあり、妥当性・信頼性の高い基準として活用されています。

コンピテンシーは多くの企業にとって非常に有益な概念といえますが、
「コンピテンシーとは何なのか、いまひとつ、わかりづらい」
と感じる方が多いようです。

そこで本記事では、初心者でもラクラク理解できるよう、「コンピテンシー」についてわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • コンピテンシーを基本から解説
  • コンピテンシーのメリット・デメリットを把握できる
  • 活用方法や導入の注意点まで網羅

「コンピテンシーとは何なのか知りたい」
「コンピテンシーを自社に導入してみたい」
…という方におすすめの内容となっています。

この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「コンピテンシーの基礎知識」はもちろん、取り入れる意義からマイナス面まで、多角的に理解できるようになります。

結果として、自社にとって最適なコンピテンシーの導入を実現できるはずです。ではさっそく、コンピテンシーの解説を始めましょう。

1. コンピテンシーとは

コンピテンシーとは

まずコンピテンシーの基礎知識から解説します。

1-1. コンピテンシーとは高業績を達成している人に共通する行動特性のこと

コンピテンシーとは、ある職務において安定的に高い業績を達成している人材(=ハイパフォーマー)に共通して見られる「行動特性」のことです。

コンピテンシー(competency)は英語で「能力」を指しますが、日本語の“能力”という言葉のニュアンスとコンピテンシーは異なります。

コンピテンシーの考え方の出発点は、
「高い学歴、高い技能、豊富な知識などを持っている人が、必ずしも高業績を上げているとは限らない」
という事実にあります。

そこで、“高業績を挙げる人たちはどういった行動を取っているのか”に着目し、共通して観察される行動・態度・思考パターン・性格・使命感などを体系化することで、ハイパフォーマーの採用や育成に活用するのが、コンピテンシーの基本的な考え方です。

1-2. コンピテンシーが生まれた歴史

より深くコンピテンシーの概念を理解するために、コンピテンシーが生まれた歴史について触れておきましょう。

コンピテンシー理論の基礎となっているのは、1970年代にアメリカ国務省からの「学歴や入省試験結果が似通った人物でも外交官としての実績に差がでるのはなぜか」という調査依頼を受けて行われた研究です。

依頼を受けたのは、ハーバード大学心理学教授のデビッド・マクレランドらの研究チームです。

調査の結果、学歴や知能は業績とあまり関係がなく、ハイパフォーマー(高業績者)には共通する複数の行動特性があることがわかり、その後、コンピテンシー理論は体系化されていきました。

1990年代以降のアメリカでは、コンピテンシーが企業の人材採用や評価の基準として普及し、現在では日本国内でも導入している企業が増えています。

1-3. コンピテンシーの意義

前述のコンピテンシーが生まれた歴史を見るとわかるとおり、コンピテンシーの意義は、業績に直結する特性を明らかにすることで、高い業績を上げるハイパフォーマー人材の採用を可能にしたり、人材育成に役立てたりすることにあります。

さらに重要な点をひとつ付け加えましょう。それはコンピテンシーを利用すると「自社の業績に直結する、自社にとって重要な行動特性」が明らかになる点です。

コンピテンシーの概念が発見される前は、知能が高い人・学歴が高い人・技術力が高い人などが優秀な人材とされ、各企業が取り合っている状況でした。

しかし、彼ら・彼女らを採用しても、必ずしも高い業績を上げるとは限りません。

なぜなら、各業界・各職種・各企業・各職場によって、コンピテンシー(高い業績を上げる人の行動特性)は異なるからです。

つまり、自社の業績向上に直結する人材の採用・育成を可能にするのがコンピテンシーといえます。

1-4. コンピテンシーとスキルの違い

初めてコンピテンシーの概念に触れた人は、
「コンピテンシーとスキルは、何が違うの?」
という点で混乱しやすいようです。

ここで整理しておきましょう。

1-4-1. コンピテンシーとスキルの違い

意味
コンピテンシー ハイパフォーマー(高い業績を上げる人材)に共通して見られる行動特性 ・信念の強さ
・顧客志向
・行動力
スキル ある人が有している技能や技術 ・PCスキル
・マネジメント力
・分野固有の専門技能

上表のとおり、コンピテンシーとスキルの大きな違いは「意味」にあります。コンピテンシーは、ハイパフォーマー共通の行動特性、スキルはある人が有している技能や技術です。

具体的に指す内容は、コンピテンシーとスキルが重複するケースもありますが、コンピテンシーのほうが、その人の本質であるファンダメンタル(基礎、素養)に近い概念となります。

2. コンピテンシーの活用シーン

コンピテンシーの活用シーン

コンピテンシーの基本的な意味が理解できたら、次は具体的な活用シーンについて見ていきましょう。

コンピテンシーは、企業において次の3つのシーンで活用されています。

  1. コンピテンシー面接
  2. コンピテンシー評価
  3. 人材育成

2-1. コンピテンシー面接

1つめは「コンピテンシー面接(コンピテンシー評価型面接)」です。

コンピテンシー面接は、企業が採用したい理想の人物像のコンピテンシー(行動特性)を明確にしたうえで、そのコンピテンシーを持っている人物かどうかを、応募者と面接官との間のやり取りを通して見極める面接です。

コンピテンシー面接では、応募者の過去の具体的な行動に焦点を当てた質問を投げ掛け、その行動に表れた行動特性を評価します。

2-1-1. コンピテンシー面接での質問例

  • 前職での仕事で、難しい問題に直面したときのことを教えてください。どのようにしてその問題を解決しましたか。
  • 今までの経験で、大きなストレスを抱えたときのことを教えてください。そのとき、どのように対応されましたか。
  • これまでに自分自身で目標を設定し、達成したときのことを教えてください。

具体的に何を質問すべきかは、確認したいコンピテンシーによって異なりますが、どの質問も「過去の行動」に焦点を当てていることに注目してください。

過去の行動から行動特性を見極め、自社にとって必要なコンピテンシーを持つ人物を採用するのがコンピテンシー面接となります。

2-2. コンピテンシー評価

2つめは「コンピテンシー評価」です。

コンピテンシー評価は、高業績につながるコンピテンシーを明らかにしたうえで、コンピテンシーを人事評価の対象とする人事評価制度です。

職務・役職ごとにモデルとなる「コンピテンシーモデル」を策定し、評価項目として設定したコンピテンシーの行動特性を実行しているかどうかにとって、人事評価が行われます。

2-2-1. コンピテンシー評価の項目の例

項目 評価点
効率的なコミュニケーション
チームワークの構築
ストレスコントロール

近年では多様な評価基準を持つ企業が増えていますが、そのひとつとして挙げられるのがコンピテンシー評価です。詳しくは以下の記事で解説していますのであわせてご覧ください。

2-3. 人材育成

3つめは「人材育成」です。

前述の「コンピテンシー評価」も人材育成の効果がありますが、人事評価とは別に、コンピテンシー研修の開催や日常的なOJT(トレーニング)を通した人材育成も、多くの企業が実践しています。

具体的には、新入社員研修で自社特有のコンピテンシーを教育する、昇進した社員に新しいポジションで求められるコンピテンシーを教育するといった活用方法が挙げられます。

コンピテンシーは“成果を出し続ける社員”の成功要因をを分析したものですから、コンピテンシーを人材育成に取り入れることで、社内に成果を出し続ける社員”を効率的に増やすことが可能です。

3. コンピテンシーを取り入れるメリット・効果

コンピテンシーを取り入れるメリット・効果

企業がコンピテンシーを取り入れると、どんなメリットや効果があるのでしょうか。ここでまとめておきましょう。

  1. 成果を挙げる可能性の高い人材を根拠を持って採用できる
  2. 成果が数値で見えにくい職種にも明確な評価基準を提示できる
  3. 行動を通して効果的な人材育成ができる

3-1. 成果を挙げる可能性の高い人材を根拠を持って採用できる

1つめのメリットは「成果を挙げる可能性の高い人材を根拠を持って採用できる」ことです。

多くの企業では、採用の際、学歴やスキル以外の面もチェックしています。例えば「誠実な人柄の人を採用したい」「素直なタイプが良い」などです。

これらは経験則に基づくこともあれば、面接官の個人的な感覚によることもありますが、体系化されていないので、バラつきがあります。

そこでコンピテンシーを取り入れると、明確な根拠を持って成果を挙げる可能性の高い人材を採用できるようになります。

例を挙げると、
「うちの会社の営業は、とにかく行動スピードの速い人が成果を挙げている」
「カスタマーセンターのスタッフは徹底的に顧客志向の人が活躍中だ」
…など、コンピテンシーを把握したうえで評価基準を定めれば、精度の高い採用活動が可能です。

3-2. 成果が数値で見えにくい職種にも明確な評価基準を提示できる

2つめのメリットは「成果が数値で見えにくい職種にも明確な評価基準を提示できる」ことです。

これはコンピテンシーを社員の人事評価制度に導入したときに得られるメリットです。

例えば、営業やマーケティング職のように成果が数字で表れる部署ではない、サポート部署(総務、システム、事務など)の従業員から多く聞かれるのが「がんばっても、なかなか評価されにくい」という悩みです。

そこで、コンピテンシーを評価基準として導入すれば、成果が数字で見えにくい職種や業務でも、やりがいを持って働けるようになります。

実際、営利法人ではない行政機関において、コンピテンシー評価はよく採用されています。以下は中野区のコンピテンシーモデルの一部を抜粋したものです。

3-2-1. 中野区コンピテンシーモデル

出典:中野区「コンピテンシーモデルによる人材育成 」

あるいは、具体的な成果が挙がるまでに時間を要するスタートアップの事業や、イノベーションの実現に向けてプロセスを評価したい分野の人事評価も、コンピテンシー評価なら可能です。

3-3. 行動を通して効果的な人材育成ができる

3つめのメリットは「行動を通して効果的な人材育成ができる」ことです。

コンピテンシーの分析を通して、これまでは言語化されていなかった“仕事のできる社員の特性”が明白となり、企業の知的財産として共有できるようになります。

そして、コンピテンシーの優れた点は、「行動特性」に焦点を当てているため、現時点ではハイパフォーマー(高業績者)ではない人にとっても、お手本として真似をしやすいところです。

例えば学歴や知能は真似することができませんが、行動特性であれば、参考にして模倣することが可能です。

コンピテンシーを意識して行動を繰り返すことで習慣化し、やがてハイパフォーマーへと変わっていきます。

4. コンピテンシーを取り入れるデメリット・課題

コンピテンシーを取り入れるデメリット・課題

企業にとってメリットの多いコンピテンシーですが、一方でデメリットや課題もあります。

  1. コンピテンシーの設定に手間がかかる
  2. 実績が浅い企業や部署には導入しにくい
  3. 主観や私情に偏らない評価者の評価スキルが求められる

それぞれ見てみましょう。

4-1. コンピテンシーの設定に手間がかかる

1つめのデメリットは「コンピテンシーの設定に手間がかかる」ことです。

コンピテンシーのメリットを享受するためには、正しくコンピテンシーを把握することが欠かせませんが、そのために手間・労力が発生します。

コンピテンシーを設定するためには、社内のハイパフォーマーを部門ごとに調査・分析し、何が共通する行動特性なのか明らかにしなければなりません。

具体的には、ハイパフォーマーの観察や、ハイパフォーマー自身へのヒアリングを丁寧に行う必要があります。

さらに、それらの丁寧な調査データから、“いかに最適なコンピテンシーを抽出するか”が重要な鍵を握ります。

コンピテンシーの設定をするうえではコンピテンシーへの深い理解が欠かせず、そのための勉強時間などまで含めれば、コンピテンシーの設定には多大なリソースが必要といえます。

4-2. 実績が浅い企業や部署には導入しにくい

2つめのデメリットは「実績が浅い企業や部署には導入しにくい」ことです。

コンピテンシーとは、“自社に実在するハイパフォーマーに共通する行動特性”のことで、統計的に設定するものです。

そのため、調査対象となるハイパフォーマーのサンプル数が少なければ、精度の高いコンピテンシーを設定できません。

コンピテンシーは、まだ実績の浅い企業や、新たに創設する新部署の人材採用などには導入しにくいというデメリットがあります。

4-3. 主観や私情に偏らない評価者の評価スキルが求められる

3つめのデメリットは「主観や私情に偏らない評価者の評価スキルが求められる」ことです。

コンピテンシーを採用基準や人事評価に導入する際には、評価基準を明確に定める必要性があるのと同時に、評価者の評価スキルも重要になります。

というのは、コンピテンシーは数字で明確に評価できる類いのものではなく、評価者の評価スキルが低いと、主観や私情によって評価に偏りが出るリスクがあるためです。

評価者(上司や面接官など)の評価スキルが未熟な企業では、コンピテンシーを導入するうえで、評価者の適切な育成や研修についても、あわせて検討する必要があります。

5. 企業がコンピテンシーを取り入れるべき理由

企業がコンピテンシーを取り入れるべき理由

デメリットや課題もあるコンピテンシーですが、マイナス面を考慮してもなお、コンピテンシーは取り入れる価値があるといえます。

その理由を解説しましょう。

5-1. コンピテンシーで採用活動の精度を上げなければ生き残りが難しい

まず第一の理由として挙げられるのが、現代は「コンピテンシーで採用活動の精度を上げなければ生き残りが難しい時代である」ことです。

年々、採用の難易度は難しくなっています。日本国内では少子高齢化によって慢性的な人手不足にあるためです。多くの企業が「なかなか良い人材を採用できない」という悩みを抱えています。

日本の労働人口の減少予測

かつての、就職・転職の市場が企業にとって優位な「買い手市場」であれば、採用のミスマッチがあっても、すぐに新たな人材を獲得できました。

ところが、求職者の母数が減っている現代の売り手市場においては、採用活動の精度を上げ、自社に合う人材を採用できる体制を整えなければ、企業の存続にも関わります。

そこで、企業の業績向上に直結する人材をピンポイントで採用できるコンピテンシーの重要性が増しているというわけです。

5-2. コンピテンシーは従業員のやりがい向上と企業の生産性向上に効果的

さらに、コンピテンシーは採用時だけでなく、採用後の従業員のやりがい向上や、企業の生産性向上にも効果を発揮します。

人口が減少し人手不足の継続が予測される以上、採用の精度を上げるとともに、少ない人数でも高い生産性を発揮する組織の構築が急務となります。

コンピテンシーを評価に取り入れて従業員のモチベーションを向上させると同時に、コンピテンシーを人材育成に活用して、ハイパフォーマー社員を量産できる体制を整えれば、企業の競争力は飛躍的に向上するでしょう。

前述のとおり、コンピテンシーのデメリットとして設定にリソースが必要なことが挙げられますが、リソースを割いて導入しても余りあるメリットを享受できるのが、コンピテンシーといえます。

6. コンピテンシーを導入する流れ 2ステップ

コンピテンシーを導入する流れ 2ステップ

具体的に、コンピテンシーはどのように導入したら良いのでしょうか。大きく2つのステップに分けられます。

6-1. ステップ1:自社のコンピテンシーを明確にする

1つめのステップは「自社のコンピテンシーを明確にする」です。

コンピテンシーを明確にするためには、まず自社を分析する必要があります。具体的には「企業特性」と「職業特性」の2つに分けて分析していくと良いでしょう。

6-1-1. 企業特性

まずは企業全体の特性を分析します。これによって「自社の文化(働く環境)には、どんな特性の人が合うのか」がわかります。

具体的には分析する項目としては、以下が挙げられます。

▼ 分析項目

  • 企業文化
  • 組織構造・制度
  • 業界構造・ビジネスモデル
  • 職場環境

実際の分析例を2つ、見てみましょう。

▼ A社 : 医療機器製造の例

  • 企業文化 :ミスが許されない (正確さが求められる) 、倫理観が重要
  • 組織構造・制度:ピラミッド型、合意形成を重視
  • 業界構造・ビジネスモデル:認可制、参入障壁が高い
  • 職場環境:ルールや規律が整っている

必要な特性(コンピテンシー) : 責任感、正確性、慎重、規律に従順、安定志向

▼ B社 : スマホアプリ開発

  • 企業文化:アイデア&スピード重視、創造性が大事
  • 組織構造・制度:フラット型・ボトムアップでの意思決定
  • 業界構造・ビジネスモデル:競争と変化が激しい、多産多死
  • 職場環境:個人の自由を尊重、コラボレーションを生む環境

必要な特性(コンピテンシー) : 創造力、革新性、リスクテイク、未来志向

このように、企業によって抽出されるコンピテンシーは大きく異なってきます。

6-1-2. 職種特性

次に職種別の特性を分析します。

大きな枠としては前項で抽出した企業特性のコンピテンシーを持っている必要がありますが、職種特性はさらに職種や部署によって分かれるコンピテンシーになります。

社内のハイパフォーマーを職種ごとに分析しましょう。具体的には、以下の項目に着目して、コンピテンシーを抽出します。

▼ 分析項目

  • 仕事の進め方
  • 仕事に必要な性格
  • 求められる能力

例えば、以下のようになります。

▼ 職種A:製造業での品質管理のコンピテンシー

  • 仕事の進め方:スピードよりも正確さが求められる、ルールに則り厳格な判断が必要
  • 仕事に必要な性格:規律性、厳格さ、慎重さ

求められる能力:責任をもって淡々とやり遂げる力、高い倫理観、客観的に判断できる能力

▼ 職種B:法人営業のコンピテンシー

  • 仕事の進め方:自分で計画を立てて行動し成果を上げる、与えられた目標を達成する
  • 仕事に必要な性格:社交性、明るさ、前向き、めげない

求められる能力:行動力、交渉力、レジリエンス (回復力)

このように「企業特性」と「職種特性」の2段階でコンピテンシーを抽出することで、自社の理念やカルチャーと相性が良く、かつ担当する業務領域において高い業績を上げる人材の行動特性が明らかになります。

なお、より詳しく職務・役職ごとにコンピテンシーを抽出する方法は以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。

6-2. ステップ2:設定したコンピテンシーを用途に応じて活用する

2つめのステップは「設定したコンピテンシーを用途に応じて活用する」です。

自社のコンピテンシーが明らかになったら、コンピテンシーを活用したいシーンに合わせて展開していきます。

 Next Step

  • 採用活動に導入する場合:採用選考の評価基準や面接内容にコンピテンシーを反映させる
  • 人事評価に導入する場合:人事評価制度の評価項目にコンピテンシーを反映させる
  • 人材育成に導入する場合:研修や教育にコンピテンシーを反映させる

コンピテンシー評価の詳しいやり方は、以下のページで解説しています。あわせてご覧ください。

7. コンピテンシーを導入する際の注意点

コンピテンシーを導入する際の注意点

コンピテンシーを導入する際には、注意したい点があります。

7-1. コンピテンシーの見直しをスケジューリングしておく

1つめの注意点は「コンピテンシーの見直しをスケジューリングしておく」ことです。

コンピテンシーは、企業の内外の状況によって変化することがあります。例えば市場環境や競合の動き、主力事業や経営体制の変化などは、コンピテンシーに影響を与えやすい要素です。

そこで導入する際に、コンピテンシーを見直すタイミングをあらかじめ計画しておきましょう。

目安としては、1年に1回、見直し作業を行いたいところです。少なくとも3年に1回は見直しをし、実体と設定したコンピテンシーとの間にずれが生じないよう、チェックしましょう。

7-2. コンピテンシーを社内に浸透させる

2つめの注意点は「コンピテンシーを社内に浸透させる」ことです。

コンピテンシーは設定するだけでは効果がありません。機能させてコンピテンシーのメリットを享受するためには、社内に浸透させることが不可欠です。

初めてコンピテンシーの概念を取り入れる企業においては、まずは「コンピテンシーとは何なのか」に関する正しい理解を促進するところから始めましょう。

そのうえで、自社のコンピテンシーを繰り返し啓発し、日々の行動レベルに落とし込むことが大切です。

8. コンピテンシー導入を成功させるために活用したいツール

コンピテンシーの導入を成功させるためには、自社ですべての仕組みを構築するのではなく、上手にツールを活用することも大切です。

例えば、採用活動にコンピテンシーを導入したい企業におすすめなのが「CIY®」です。

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9. まとめ

コンピテンシーとは、高業績を達成している人に共通する行動特性のことです。

自社の“仕事ができる人たち”に共通する行動特性を抽出し、採用・人事評価・人材育成などに活用すれば、高業績を達成するハイパフォーマーを効率的に増やすことができます。

コンピテンシーを取り入れるメリット・効果は以下のとおりです。

  1. 成果を挙げる可能性の高い人材を根拠を持って採用できる
  2. 成果が数値で見えにくい職種にも明確な評価基準を提示できる
  3. 行動を通して効果的な人材育成ができる

コンピテンシーを取り入れるデメリット・課題は以下のとおりです。

  1. コンピテンシーの設定に手間がかかる
  2. 実績が浅い企業や部署には導入しにくい
  3. 主観や私情に偏らない評価者の評価スキルが求められる

企業がコンピテンシーを取り入れるべき理由としては、以下が挙げられます。

  1. コンピテンシーで採用活動の精度を上げなければ生き残りが難しい
  2. コンピテンシーは従業員のやりがい向上と企業の生産性向上に効果的

コンピテンシーを導入する流れは次のとおりです。

  • ステップ1:自社のコンピテンシーを明確にする
  • ステップ2:設定したコンピテンシーを用途に応じて活用する

コンピテンシーを導入する際の注意点はこちらです。

  1. コンピテンシーの見直しをスケジューリングしておく
  2. コンピテンシーを社内に浸透させる

コンピテンシー導入を成功させるためには、ツールを上手に利用することをおすすめします。

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執筆・監修者

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