「ストレス耐性が低い」は誤解?メンタル不調サインを防ぐレジリエンス採用

「面接ではあんなにハキハキしていて、やる気に満ち溢れていたのに……」
採用からわずか3ヶ月。期待を寄せていた若手社員から突然、体調不良による欠勤の連絡が入る。
最初は1日、次は2日と休みが増え、やがて「心療内科で適応障害と診断されたので休職したい」という診断書が届く——。
中小企業の経営者様や人事責任者様であれば、一度はこのような苦い経験をされたことがあるのではないでしょうか。
「最近の若者はストレス耐性が低い」
「ちょっと注意されただけで甘えているのではないか」
そう嘆きたくなる気持ちは痛いほど分かります。しかし、これを単なる個人の「甘え」や「弱さ」として片付けてしまうと、組織の課題は永遠に解決しません。
実は、多くのケースにおいて、その人材は「ストレスに弱い」のではなく、「特定のストレスに対して、適切な対処法を持っていなかった」だけである可能性が高いのです。
本記事では、履歴書や短時間の面接では見抜くことが難しい「ストレス耐性の正体」を解き明かし、採用ミスマッチによる早期離職やメンタル不調を未然に防ぐための具体的な見極め方について解説します。
目次
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図解(記事内容まとめ)
なぜ「優秀だと思った人材」がすぐにメンタル不調に陥るのか
深刻化する「心の離職」と中小企業へのインパクト
近年、メンタルヘルス不調による休職や離職は増加の一途をたどっています。 厚生労働省の「令和5年 労働安全衛生調査」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者がいる事業所の割合は13.3%に上り、過去最高水準となっています。
「うちは大企業じゃないから関係ない」と思っていませんか? 実は、従業員数の少ない中小企業こそ、一人の離職が経営に与えるダメージは甚大です。
- 採用コストの無駄
求人広告費や紹介手数料(年収の30〜35%)が水の泡になる。 - 教育コストの損失
現場社員がOJTに費やした時間と労力が消える。 - 組織への悪影響
「また辞めたのか」という空気感が蔓延し、既存社員のモチベーションやエンゲージメントが低下する。 - 代替要員の負担
抜けた穴をカバーするために他の優秀な社員に負荷がかかり、連鎖的な離職を招く(負のスパイラル)。
特に「少数精鋭」で回している中小企業において、期待していた人材の早期離脱は、事業計画そのものを狂わせるリスクを孕んでいます。
「面接での印象」と「ストレス耐性」は別物
なぜ、採用選考の段階でこのリスクを見抜けなかったのでしょうか。 最大の原因は、「面接でのパフォーマンス」と「日々のストレスに対する耐久力」には相関関係がほとんどないという事実にあります。
面接という場は、候補者にとって「自分を良く見せるためのプレゼンテーション」の場です。緊張感を持ってハキハキと答える能力(社会的スキル)と、理不尽な要求や日々の単調な業務、複雑な人間関係に耐えうる能力(内的資質)は、全く別の脳の領域を使っていると言っても過言ではありません。
「明るくて元気そうだから大丈夫だろう」という第一印象だけで採用を決めるのは、目隠しをして地雷原を歩くようなもの。私たちは「見えない資質」にもっと目を向ける必要があるのです。
「ストレス耐性が低い」の正体は、耐性の“ミスマッチ”にある
「ストレス耐性」と一口に言っても、その中身は複雑です。 ある環境では水を得た魚のように活躍する人が、別の環境ではすぐに潰れてしまうことがあります。これは、「ストレス耐性の高低」の問題ではなく、「ストレス要因(ストレッサー)との相性」の問題です。
採用時に見極めるべきストレス耐性は、大きく以下の3つの軸に分解して考える必要があります。
1. 対人ストレス耐性(Human Relations)
他人との関わりの中で発生するストレスに対する強さです。
- この耐性が求められる場面:
顧客からのクレーム対応、上司からの厳しい指導、チーム内での意見調整など。 - ミスマッチの例:論理的思考力が高く事務処理能力は抜群だが、他人の感情の機微を察するのが苦手なタイプ。
このタイプを「優秀だから」といって、泥臭い折衝が必要な営業職や、感情労働が求められるカスタマーサポートに配置すると、能力を発揮する前に対人関係のストレスで摩耗してしまいます。
2. 業務負荷ストレス耐性(Workload)
仕事の量、質、スピード感に対する強さです。
- この耐性が求められる場面:
繁忙期の残業、マルチタスク、高いノルマ、短納期での成果など。 - ミスマッチの例:じっくりと丁寧に物事を進めるのが得意で、対人関係も円滑なタイプ。
このタイプを、スピードと即断即決が求められる新規事業部や、常に納期に追われる制作現場に配置すると、「終わらない」「質が伴わない」というプレッシャーに押しつぶされ、メンタル不調を引き起こします。
3. 環境変化ストレス耐性(Change)
状況の変化や予測不能な事態に対する強さです。
- この耐性が求められる場面:
頻繁な部署異動、方針転換(朝令暮改)、新しいツールの導入、転勤など。 - ミスマッチの例:決められたルールの中でコツコツと成果を出すのが得意なルーチンワーク型。
このタイプを、まだ体制が整っていないベンチャー気質の部署や、マニュアルのない立ち上げ業務にアサインすると、「正解がわからない」という不安から強いストレスを感じ、思考停止に陥ります。
このように、「ストレスに強い/弱い」という二元論ではなく、「どのストレスに強く、どのストレスに弱いのか」という個人の特性(デコボコ)を把握することが、ミスマッチを防ぐ第一歩です。
採用段階で見極めたい「レジリエンス」と「コーピング能力」
ストレス要因のタイプに加え、もう一つ重要な視点があります。それは、ストレスを受けた後にどう対処するかという「回復力(レジリエンス)」と「対処能力(コーピング)」です。
ストレスゼロの職場など存在しません。どのような職場であっても、必ず何らかの負荷はかかります。重要なのは「ストレスを感じないこと」ではなく、「受けたストレスを自力で解消し、平常心に戻れること」です。
2つのコーピング(対処)スタイル
心理学では、ストレスへの対処法(コーピング)を大きく2つに分類します。候補者がどちらの傾向を持っているかを知ることは、マネジメント上非常に重要です。
A. 問題焦点型コーピング(解決志向)
ストレスの原因そのものに働きかけて、問題を解決しようとするスタイルです。
- 特徴: 「仕事が終わらない」というストレスに対し、「スケジュールを見直す」「上司に相談して分担を変えてもらう」といった行動をとります。
- メリット: ストレスの根本原因が解消されるため、長期的には安定します。
- 注意点: 自分の力ではどうにもならない問題(理不尽な顧客など)に直面した際、解決できない自分を責めてしまうリスクがあります。
B. 情動焦点型コーピング(感情調整)
ストレスによって生じた不快な感情(怒りや悲しみ)をコントロールしようとするスタイルです。
- 特徴: 「同僚に愚痴を聞いてもらう」「趣味に没頭して忘れる」「お酒を飲んで発散する」といった行動をとります。
- メリット: 手っ取り早く気分転換ができ、一時的な精神的苦痛を和らげます。
- 注意点: ストレスの原因そのものは解決していないため、同じ問題が繰り返される可能性があります。また、「逃避」癖がつくリスクもあります。
面接で「メンタル不調サイン」を見抜く難しさ
採用担当者は、面接で以下のような質問をしてストレス耐性を測ろうとします。
- 「これまでに一番辛かった経験は?」
- 「ストレスを感じた時、どう解消していますか?」
しかし、多くの候補者は面接対策をしており、「趣味のサウナで整えて、翌日には切り替えます」といった“正解”を答えます。これを鵜呑みにしてはいけません。
本当に確認すべきは、「過去の具体的な行動事実」です。
例えば、前職で困難に直面した際、「具体的に誰に、どのタイミングで相談したか」「その結果どうなったか」を深掘りすることで、その人が『自力でSOSを出せるタイプ(援助要請能力がある)』か、『一人で抱え込んで限界まで我慢してしまうタイプ』かが見えてきます。
しかし、限られた面接時間の中で、心理カウンセラーのように相手の深層心理まで掘り下げるのは、プロの人事担当者であっても至難の業です。ましてや、兼任で採用を行っている中小企業の経営者にとっては不可能に近いでしょう。
「面接の限界」を突破する:見えない資質を可視化する技術
ここまで見てきたように、休職リスクや早期離職を防ぐためには、以下の要素を複合的に判断する必要があります。
- 個人の資質
どのような性格・価値観を持っているか。 - ストレスタイプ
「対人」「業務」「環境」のうち、どこに地雷があるか。 - コーピング能力
ストレスをどう処理する傾向があるか。
これらは目に見えず、本人の自己申告も当てになりません。そこで必要となるのが、客観的なデータに基づく「適性検査」の活用です。
従来の適性検査の課題
「適性検査なら昔導入したが、効果がわからずやめてしまった」という経営者様もいるかもしれません。従来の大手適性検査ツールの多くは、以下のような課題がありました。
- 専門的すぎて読めない
結果レポートが難解な数値や専門用語の羅列で、現場のマネジメントに活かせない。 - コストが高い
受検1件あたり数千円かかり、最終面接まで進んだ数人にしか実施できない(母集団の段階でスクリーニングできない)。 - 「良い/悪い」の判定だけ
「採用基準を満たしているか」の判定は出るが、「入社後どう扱えばいいか」の処方箋がない。
これでは、採用の合否判定には使えても、「入社後の定着・活躍」には繋がりません。
見えない資質を可視化し、リスクを回避する組織づくりへ
中小企業に必要なのは、高額で複雑な分析ツールではありません。 「この人はどんなストレスに弱いのか」が一目でわかり、「どうマネジメントすれば輝くのか」を教えてくれる、実用的なツールです。
適性検査サービス「CIY®(シーアイワイ)」は、まさにこうした中小企業の現場の声から生まれました。
CIYが解決できる3つのこと
1. 「隠れたストレス要因」の可視化
CIYの分析レポートでは、候補者の資質をわかりやすいグラフと言葉で表現します。「対人影響力」「ストレス耐性」などの項目だけでなく、その人の性格特性から「どのような環境でストレスを感じやすいか」を具体的に指摘します。
例えば、「協調性が高く、変化を嫌う」という結果が出れば、「ベンチャー的な無茶振りはNGだが、定型業務を着実にこなすポジションなら長く活躍できる」といった判断が可能になります。
2. 面接での「聞き忘れ」を防ぐ質問例
分析結果に基づき、その候補者の懸念点を深掘りするための「面接での質問例」をAIが提案します。
「ストレス耐性に不安がある」という結果が出た場合、どのような角度から質問を投げかければ本音を引き出せるかまでサポートするため、面接官のスキルに依存しない見極めが可能になります。
3. 入社後の「マネジメントの指南書」として活用
CIY®の最大の強みは、採用して終わりではない点です。出力されるレポートは、配属先上司が新メンバーの個性を理解し、早期に信頼関係を築くための「マネジメントの指南書」として活用できます。
「この新人は褒めて伸びるタイプ」「論理的な説明を好むタイプ」といった個性に合わせた関わり方が事前にわかっていれば、上司とのコミュニケーション不全によるストレス(早期離職の最大要因)を劇的に減らすことができます。
まとめ:採用は「賭け」ではない
「採用してみないとわからない」 かつてはそう言われていました。しかし、データとテクノロジーが進化したいま、人間の内面的な資質はかなりの精度で予測可能です。
採用を「運任せの賭け」にするのはもう終わりにしましょう。 自社の社風に合い、長く活躍してくれる人材を見極めるためには、「見えない資質」を可視化するプロセスが不可欠です。
まずは、現在活躍している社員や、早期離職してしまう社員がどのような特性を持っているのか、CIY®を使って分析してみませんか?
「なるほど、だからあの人は辞めてしまったのか」「エース社員にはこんな共通点があったのか」という納得感のある答えが、きっと見つかるはずです。
採用のミスマッチをなくし、社員も会社も幸せになる組織づくりを、CIY®がサポートします。
まずは無料で社員の資質を見える化しませんか?
まずは、現在無料トライアルを実施中のCIY®で、あなた自身や、気になる部下の1人を診断してみませんか? 「当たってる!」「だからあの時、あんな反応だったのか!」という驚きと納得が、きっとあるはずです。
対人関係の地図を手に入れ、科学的なマネジメントへの第一歩を、今すぐ踏み出してください。








