適性検査の不正受検・カンニングをどう防ぐ?Web受検時代のリスクと「不正に強い検査」の選び方

採用にWeb適性検査を取り入れる中小企業が増えています。会場に集める手間がなく、応募者にとっても受けやすい——とても便利な仕組みです。
その一方で、「画面の向こうにいる受検者は、本当に応募者ご本人なのだろうか」「その結果は、実力をそのまま映したものなのだろうか」という、ちょっとした不安を感じたことはないでしょうか。
近年は、他人が代わりに受ける「替え玉受検」だけでなく、生成AIを使った不正も広がり、これまでの対策の前提が変わりつつあります。とはいえ、過度に身構える必要はありません。
この記事では、不正が起きやすい場面の整理、企業が取れる具体的な対策、そして「そもそも不正に強い検査の選び方」までを、データを交えて分かりやすくご紹介します。
Web受検の安心感を高めるヒントとして、ぜひお役立てください。
目次
なぜ今、Web適性検査の「不正受検」が課題になっているのか
そもそも適性検査は、いまや採用活動の標準的な関門です。
ある調査では、採用プロセスで適性検査・筆記試験を実施する企業は86.9%にのぼり、面接や内定出しに次ぐ高い実施率となっています(出典:リクナビ就活準備ガイド)。
多くの企業にとって、適性検査は人を見極める大切な土台になっているわけです。
その受検形式として、いま最も普及しているのが「自宅受検型」です。企業やテスト提供会社から送られてくるURLにアクセスし、応募者が好きな時間・場所で受検します。
場所を選ばず効率的に進められる一方で、監督者の目が届きにくく、本人確認や受検環境のチェックが効きにくいという構造的な弱点も抱えています。
Web受検の利便性と引き換えに、「見えないリスク」が生まれているのです。
データで見る——不正受検は決して他人事ではない
不正と聞くと「ごく一部の悪質な例外」と思いたくなりますが、データはやや違う実態を示しています。
教育・検定事業を手がける株式会社サーティファイが2024年に行った調査(オンライン就職活動の経験者591名が対象)によると、受検者の45.5%が、Webテストで何らかのカンニングを経験したと回答しました
(出典:株式会社サーティファイ プレスリリース(2024年11月19日))。
決してまれな出来事ではない、ということが見えてきます。
手口の内訳を見ると、最も多いのは「スマートフォンで検索や参考資料を見た」(17.6%)でした。ここで注目したいのが2番目です。
「PCやタブレットで生成AIを使用した」が11.5%と、従来型の替え玉受検を上回る水準に達しました
(出典:ITmedia ビジネスオンライン)。
生成AIの普及によって、不正のかたちそのものが変わってきているのです。
さらに同調査では、カンニングを実行した人のうち62.5%が、その企業から内定を得ていたことも示されています。
これは「不正対策をしなければ、本来の実力とは異なる評価で人を採ってしまうかもしれない」という、採用の精度に直結する課題でもあります。だからこそ、仕組みで備えておく意味があるのです。
不正が起きやすい4つの場面を整理する
効果的な対策を考えるには、まず「どんな場面で不正が起きやすいか」を分けて捉えるのが近道です。
Web適性検査における不正は、大きく次の4つのパターンに整理できます。
1. なりすまし・替え玉受検
応募者本人ではなく、第三者が代わりに受検するケースです。最も見抜きにくく、影響も大きいパターンといえます。
なお、他人になりすました替え玉受検は、刑法第161条の2「電磁的記録不正作出等」に問われる可能性がある重大な行為で、実際に逮捕や有罪判決に至った事例もあります(出典:pro-seeds)。
2. 検索・参考資料の閲覧
受検中にスマートフォンや別のブラウザタブで答えを調べる手口です。
前述の調査でも最多を占めており、最も身近に起こりやすいタイプです。
3. 生成AIの利用
その場で生成AIに設問を入力し、解答を作らせるパターンです。
近年急速に広がっており、従来の対策だけでは捉えにくい新しい論点になっています。
4. 第三者からの解答共有
画面共有ツールで試験画面を別の場所にいる協力者に見せ、イヤホン越しに解答の指示を受ける、といった手口です。
一人で受検しているように見えて、実際には複数人が関与しているケースです。
企業ができる不正対策——本人確認・監視・出題設計
4つの場面が見えてくると、対策も整理しやすくなります。
ここでは「入口(本人確認)」「最中(監視)」「設計(出題)」という3つのレイヤーに分けてご紹介します。
入口:Webカメラと顔認証による本人確認
なりすまし対策の基本は、受検の入口で本人確認を行うことです。
Webカメラで顔を撮影し、AIによる顔認証で本人かどうかを自動的に照合します。これにより、替え玉受検のハードルを大きく引き上げられます(出典:ミキワメラボ)。
最中:AI監視と整合性チェック
受検中の不正には、AI監視型のシステムが有効です。
受検者の視線の動きをAIが解析し、画面外を頻繁に見る、別タブへ移動するといった兆候を検知します。
回答ログの整合性をチェックして不自然な挙動を洗い出す方法や、有人でリアルタイムに監督する方式もあります(出典:株式会社CBT-Solutions)。
設計:出題の工夫で不正を起こりにくくする
検査の設計そのものでリスクを下げることもできます。
問題プールから毎回ランダムに出題する、設問や選択肢の順番をシャッフルする、テスト画面以外のタブに移動できないよう制限する
——こうした工夫は、検索や解答共有を難しくする予防策になります。
もっと根本的な解——「不正に強い検査」を選ぶという視点
ここまで監視や本人確認の手法を見てきました。これらはとても有効ですが、技術が進歩すれば不正の手口も変わる、いわば「いたちごっこ」の側面があるのも事実です。
そこで、もう一つ持っておきたいのが——「そもそも不正の動機が生まれにくい検査を選ぶ」という視点です。
「正解のある検査」が狙われやすい理由
カンニングや生成AIの利用が起こりやすいのは、言語・計算といった「正解が一つに決まる能力検査」です。
答えがはっきりしているからこそ、検索やAIで突破でき、替え玉を立てる動機も生まれます。
前述の調査で不正の上位が検索・生成AIだったことも、これを裏づけています。
性格・資質を測る検査は、なぜ不正に強いのか
一方で、性格・価値観・資質といった「その人らしさ」を測る検査には、そもそも明確な正解がありません。
偽って答えても得点が上がるわけではなく、実態と違う結果は入社後のミスマッチとなって本人に跳ね返ります。
つまり、不正をするメリットが構造的に小さい検査なのです。
採用の目的に立ち返る
大切なのは、「自社が本当に知りたいのは何か」に立ち返ることです。
測りたいのは一夜漬けで対策できる学力でしょうか。
それとも、長く一緒に働けるかどうかを左右する価値観や資質でしょうか。
とくに一人ひとりの影響力が大きい中小企業ほど、後者を丁寧に見極める意味は大きいといえます。
適性検査・性格診断を活用したHRテックサービスCIY®(シーアイワイ)適性検査は、まさにこの「見えない資質」を可視化することに重きを置いています。
点数を競うものではないため不正の動機が生まれにくく、中小企業でも導入しやすい、親しみやすく実用的なツールです。
監視を強化するだけでなく「測る対象」を見直すことが、不正に振り回されない採用への近道になります。詳しくはCIY®適性検査のサービスページをご覧ください。
まとめ
Web受検が主流になった今、なりすましやカンニング、生成AIの利用といった不正は、決して他人事ではありません。
受検者の45.5%が不正を経験していたというデータは、仕組みで備えることの大切さを教えてくれます。Webカメラによる本人確認、AI監視と整合性チェック、出題設計の工夫
——これらを組み合わせれば、リスクは着実に下げられます。
そして、もう一段深い対策として有効なのが、「不正に強い検査を選ぶ」という発想です。
正解のない、性格や資質を測る検査なら、不正の動機そのものが小さくなります。
監視と検査選び、この両輪で、安心して人を見極められる採用を実現していきましょう。
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