更新:2023.11.27|公開:2023.11.27
データハイブリッドな採用・マネジメント
この記事は、CIY®より出版した書籍「-士業向け- CIY®を活用した”高定着率&ハイパフォーマンス” 採用教本」の一部を抜粋してご紹介しています。
データハイブリッドな採用・マネジメント
これまでの採用の多くは、主観的な判断に多くを依存してきた。経営者や面接官の感情面が、合否に大きく影響している。
感情に判断を任せることは、必ずしも悪いことではない。
「サピエンス全史」で世界的に有名になったイスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリは感情について以下のように記述している。
感情は直感や霊感や自由には基づいていない。計算に基づいているのだ。
サルやネズミや人間がヘビを目にすると、恐れが湧き起こる。脳内の何百万ものニューロンがたちまち関連のデータを計算して死ぬ確率が高いという結論を出すからだ。(中略)こうした生化学的なアルゴリズムはみな、何百万年にも及び進化を通して磨きをかけられてきた。どこかの遠い祖先の感情が誤りを犯せば、その感情を形作っている遺伝子は、次の世代には伝わらなかった。このように、感情は合理性の対極ではなく、進化が育んだ合理性を体現しているのだ。出典:21 Lessons -ユヴァル・ノア・ハラリ
感情は長い年月をかけて人類が獲得した「アルゴリズム」であると述べている。従って、採用に限らず、様々な判断に感情を用いることは間違いではない。
ただし、感情だけですべてを判断するのは危険だ。こんな逸話がある。
ある草原には、オオカミと羊が生息していた。
羊にとって天敵であるオオカミは、常に恐れの対象であり、オオカミがいなくなってくれたら、どんなに生きやすくなることだろうか。すべての羊は、オオカミがいなくなることを望んでいた。草原近くの村に住む人間もまた、オオカミの被害に悩んでいた。ある日、村人たちは銃をかついでオオカミの討伐を決行した。数日かけて、ついにすべてのオオカミを駆逐することに成功した。人間にとっても羊にとっても、幸せな日々が訪れるだろうと思われた。
数年後、羊は全滅した。
オオカミに捕食されなくなった羊は、繁殖により数が増えすぎ草原の草を食べ尽くしてしまったのだ。食料がなくなった羊は、一匹残らず姿を消してしまった。近くの村人たちは、不思議に思ったが、もはやどうすることもできなかった。
羊は、直感的に天敵であるオオカミさえいなくなれば、と考える。オオカミがいる方が羊の生存率が高まるというのは、直感にかなり反した事実だ。草原の食料供給量と羊の最適な個体数に関するデータを持っている村人が一人でもいれば、オオカミの討伐には反対しただろう。
CIY®が目指したいのは、「感情とデータ」の両方を活用した採用やマネジメントを手助けすることだ。完全にデータだけを重視する「データドリブン」ではなく、主観と客観のバランスを重視する「データハイブリッド」を目指したい。「主観と客観」の二刀流と言っても良いだろう。
これまでの日本、特に中小企業では、「主観的な採用」に比重が置かれすぎていたように思える。適性検査を実施している中小企業は約半数、その中でも実施した適性検査をうまく活用できているという企業は非常に限られている。結局、経営者や面接官の主観や経験則だけに頼っている現状だ。
冒頭で、労働人口が減少し続けるこれからの時代に、安定した経営を実現するために必須な条件は「高いパフォーマンスをあげてくれる人材に、長く定着してもらうこと」であると述べた。
それを実現するのが「データハイブリッド」な採用とマネジメントだ。
CIY®を使うことで、以下の客観データが手に入る。
- 自社の職務(有資格者、パラリーガル、事務スタッフ、クライアント担当など)において、それぞれどのような特性や能力が必要なのかが可視化される
- 応募者(または社員)の特性、能力、強みが可視化される
- 「1」と「2」を重ね合わせることで、応募者(または社員)が、自社の職務にどのぐらい適性があるか? 強みを発揮できるか? が可視化される
これまでの経験則や主観に加えて、CIY®が提供する「客観データ」をうまく活用することで、ハイパフォーマーの採用、そして採用した人材に長期間に渡って活躍してもらうことを実現していただきたい。