更新:2023.11.27|公開:2023.11.27

多様性を実現する「相互理解」

この記事は、CIY®より出版した書籍「-士業向け- CIY®を活用した”高定着率&ハイパフォーマンス” 採用教本」の一部を抜粋してご紹介しています。

多様性を実現する「相互理解」

多様性の本質は、性別や国籍、年齢といった属性の多様化ではなく、様々な考え方、個性、志向など様々な価値観を認め合うことだ。
様々な年代、性別、国籍の社員で構成されているとしても、個性が抑圧され、押し付けられた価値観にみんなが縛られているような組織は、多様性があると言えるだろうか。
同じ年代の女性ばかりが集まった職場だとしても、それぞれの個性や価値観を認め合い、それぞれの強みを活かしあえている組織は多様性が高いと言えるだろう。

そもそもなぜ多様性がこれほど求められているのだろう?
同じ川に住むグッピーでも、川の上流と下流で性格が全く違うという実験結果がある。川の下流には天敵であるブルーギルが生息しており、常に捕食される脅威がある。下流のグッピーは天敵から身を守りながら自分たちの餌を確保する必要があることから、慎重な性格の個体が多くなった。
一方、上流にはめぼしい天敵がいない。ここでは慎重に餌を探すよりも、積極的に餌を探すことが重要だ。そうしなければ別のグッピーに先に餌を取られてしまう。
天敵の有無という環境の違いにより、上流には積極的な性格のグッピーが、下流には慎重な性格のグッピーが生息するようになった。

環境の違いが、個体の性格やその集合体である組織の文化を決めている。
戦後の日本は、世界的な機会化・工業化による繁栄という比較的安定した環境の中で工業国家として経済成長を遂げた。製造業に代表される効率的な大規模生産を実現させるためには、経営層が立てた計画を理解し、確実に実行に移すことが重要だ。それができる人材が求められ、それができる教育がなされてきた。
環境が変わらなければ、一様な組織でも良い。むしろ一様である方がマネジメントはしやすいし、決断から実行までのスピードも早いだろう。グッピーの天敵であるブルーギルが下流に留まっている限り、下流のグッピーは慎重で、上流のグッピーは積極的でも問題はない。

現代の日本はどうだろう? 日本だけではない。世界中で環境が目まぐるしく変化している。安定した環境とは程遠く、変化・不確実・複雑・曖昧という意味の「VUCA」という言葉がよく聞かれるようになった。
環境変化が激しい状況では、一様な組織は非常に脆い。ブルーギルが下流だけでなく上流にも進出し、どこに現れるかわからないような状態だ。上流の積極的なグッピーは一網打尽だろう。このような環境下で組織の生存率が最も高まる戦略が多様性である。ブルーギルがどこに出没しようとも、積極的なグッピーと慎重なグッピーが共存する組織であれば、種の生存確率は高まる。

人間はグッピーではない。より多様な個性や価値観を持ち、かつそれを互いに理解し補完し合うことができる。
ここで重要なことが「相互理解」だ。

人間は他我問題というコミュニケーション上の難題を抱えている。私と横にいる友人が同時に転んで怪我をして血を流しているとしよう。私が感じている痛みと、友人が感じている痛みは同じだろうか? 同じであることは証明できない。私が感じている痛みと全く同じ感覚を、他人である友人も同じように感じているかは、誰にも確かめようがないのだ。身体的な痛みではなく、精神的な痛みではどうだろう? 同僚と一緒に顧客のクレーム対応をした後に、感じているこの苦痛や悲しみ、怒り、挫折感、気落ち、憂鬱、といった複雑な感情を、果たして同僚も同じように感じているだろうか? 身体的な痛みに輪をかけて、精神的な痛みは差があるだろう。いわゆるストレス耐性が高い同僚であれば、私が感じている精神的な痛みをほとんど感じていないかもしれない。ストレスに弱い同僚であれば、私が感じている以上の痛みを感じているだろう。いずれにしても、それはどのぐらいの強さで、どのような痛みなのか? 私がそれを正確に感じることはできない。これは全て、私が友人や同僚など、他人の感覚を味わうことができない、他我問題だ。

多様性の高い組織を作る難しさの真因はここにある。自分にとって受け入れがたい他人の価値観は、理解しようと思わなければ受け入れることが非常に難しい。なぜなら、他人が持つ感覚や考え方は、自分にはわからないからだ。
CIY®の適性検査項目に「考える」「行動する」というものがある。「考える」特性が強い人にとっては、あまり考えず、準備もおろそかで無計画に行動する人のことは理解できない。無鉄砲さを批判し、それを自分に強いられた場合には大きな拒否感を示すだろう。「行動する」特性が強い人にとっては、考えすぎてなかなか行動に移さず、機を逸してしまうほど慎重な人のことは理解できない。腰が重いことを批判し、慎重に慎重を期することを強いられた場合には、大きな拒否感を示すだろう。
どちらも間違ってはいない。自分の特性の活かし方や、仕事の進め方の適性が異なるだけだ。しかし、相互に理解しようという気持ちがなければ、この二人は互いを批判し合うだろう。仮に、どちらかの特性が多数派でどちらかが少数派の場合、多数派が少数派の価値観を持つ社員を排除しようとさえするかもしれない。

あなたの会社、事務所では、社員の個性や価値観を理解し、認めあっているだろうか? 理解するためには、まずそれぞれの個性や価値観を可視化する必要がある。CIY®を使えば、それができる。完璧には表現しきれないとしても、その指針は示してくれる。
そして最も重要なことは対話をすることだ。仕事の指示、進捗確認、次の目標だけでなく、各社員の個性や価値観について、もっと話をしよう。何を話せば良いのか? ベースはCIY®にある。各社員の分析結果を本人に共有して、合っている部分、異なっている部分を確認してはいかがだろう。そこから「どんな仕事でモチベーションがあがるか?」「どんなときに強みを発揮できていると感じるか?」「ここ最近で言われて嬉しかったことはなにか?」「どんな価値観を大事にして働いていきたいか?」「これからこの事務所で、どんなことを成し遂げたいか?」など、本人自身のことを聞いていただきたい。そして、自分自身の価値観、特性、強みについても部下に伝えていただきたい。あなたが一方的に部下のことを理解するのではなく、部下があなたのことを理解すること、それが相互理解だ。
あなたと部下の理解が深まった後には、社員同士、スタッフ同士でも相互に理解が深まるような場を作ってみよう。そうしなければ、組織全体での相互理解は進まない。

IoT、ドローン、AI、VR、自動運転、ロボット。ここ十年で急速に社会に浸透し、これからますます実用化が広がっていく。そして今後も新しい技術が次々と登場し、社会に実装されていくはずだ。これからも環境は目まぐるしく変化していくだろう。そんな社会では多様性の低い組織は生き残れない。そして、多様性の高い組織を作るためには相互理解が不可欠だ。

CIY®を活用して、多様な人材を理解して採用していただきたい。相互理解をしながらチームづくりを進めていただきたい。これが必ず「高いパフォーマンスをあげてくれる人材に、長く定着してもらうこと」につながる。

適性検査は落とすためのものではなく、応募者を理解するためのもの。
社員の強みや価値観を理解し、その力を最大限に発揮させるためのもの。
「落とすため、ではなく、理解するために。」
これが、CIY®の哲学だ。
もしこれに共感いただける士業の方がいらしゃれば、ぜひCIY®を活用して、強みを発揮し合うチーム、そして多様性の高い組織を作り上げてもらうことを心から望んでいる。

執筆・監修者

人材の強みを活かした採用と配置
CIY®(シーアイワイ)

自社に応募してくれた貴重な人材の、強みを活かして採用・配置ができるの採用サービス。
独自の適性分析&マッチング技術で特許取得
(特許番号:7219981号)
企業向けサービスサイトはこちら

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